消費者庁が、食品業界にトランス脂肪酸の
食品含有量を表示するような指針を策定した。
トランス脂肪酸というのは、脂肪の一種です。
メインの栄養素について「脂質・炭水化物・タンパク質」と
ざっくり考えるのはすでに古く、細分化しなくては、
意味が無いことがわかっています。
「魚の脂肪は身体にいいよ♪」 というのも、その一部。
「トランス」というのは、脂肪の分子構造のお話。
トランス脂肪酸の摂取は、
心臓の病気を患う確率を上げることが知られている。
また悪玉コレステロールを上昇させ、善玉コレステロールを減少させ、
慢性的な炎症を示す因子を上昇させることでも知られている。
科学的証拠が積みあがってきたのが1990年頃から。
2000年になってヨーロッパの各国で政策が敷かれ始め、
アメリカでも2006年には食品への表示が義務化されている。
2005年からニューヨーク市は、レストランに工業的加工を経た
マーガリンやショートニングなどの使用を禁止し、
世界中で行政が動いている。
そして日本もその流れに乗っかったわけです。
正直な感想としては、
研究が少ないのによくやるな・・
食品会社がかわいそうだな・・
という感じ。
研究の量も多くないし、
何より測定技術や人を対象にした研究手法が確立していない。
限られた研究からでも、現代の日本においてトランス脂肪酸が、
健康に影響を与える事は、自分の知る限り支持されていない。
また欧米に比べて摂取量がかなり低いことがわかっており
人口全体のレベルで懸念するべきか否かも明確ではない。
たとえば、トランス脂肪酸の摂取が高いから、
何か健康状態が悪化しているだとか
直接、日本人で検討した研究は自分の知る限り無い。
一応、消費者庁の資料にも書いてあるけれど、
トランス脂肪酸には、
■1■ 質の悪い油による調理によるもの、
■2■ 食品加工の過程で生じるもの、
■3■ 反芻動物(牛)のお肉や乳製品に自然に含まれているものと
自分の知る限り3種類ある。
■1■ 質の悪い油による調理によるものっていうのは、
ファーストフードのフライドポテトや揚げ物など。。
つねに熱っせられた油は変性することが疑われています。
欧米のマクドナルドやケンタッキーフライドチキンの製品に
トランス脂肪酸がかなり多く含まれていることが
有名な医学雑誌に紹介されています。
(医学論文に食品の成分が紹介されるというのはとっても稀)
■2■ 食品加工の過程で生じるものというのは、
マーガリンやショートニングに含まれる類。
植物油を固形化させる際に、生じることが知られています。
でも、製造の仕方で、トランス脂肪酸が生じないことも知られています。
■3■ 反芻動物から得られるトランス脂肪酸は、
主に2005年以降の研究から、身体に良くないばかりか、
よいかもしれないことも示唆されており、その科学はまだ落ち着いていません。
こうした3つの類から考えて、ニューヨーク市や欧米各国は
工業的に加工された食品に限定して、規制を敷いたりしている。
そのあたりの細かに区別するのが、トランス脂肪酸の規制には必要と思う。
ミルク由来のトランス脂肪酸を多く含んでいるチーズなど
たくさん摂取するヨーロッパ人にとっては当然だろう。
今は、トランス脂肪酸を、さらに細かく分けることができ
安全なものとそうでないものを選り分けることが出来る。
乳製品に多く含まれている類など、安全であることも示唆されている。
いろいろと、トランス脂肪酸の種類などの科学も蓄積している中、
日本の消費者庁はもっと慎重になるべきでは・・と思う。
本当は安全なのに危険性あり・・
と判断されるものなど出てくるのでは?
生クリームなんて、乳脂肪を凝縮させたものなのだから、
絶対、トランス脂肪酸の含有量が高くなる。
トランス脂肪酸の含有量を表示したところで混乱を招くだけとなるのでは?
また100グラムあたりの含有量について
ある一定量以下ならゼロとしてよいということ。
つまり、「ゼロ」と表示されていても、
実際の摂取量が100グラムを越えるものなら
当然、摂取量も増えていく。
菓子パンなど、その辺の網をくぐってくる物があると思う。
(糖分も、食品100g、飲み物100mlあたり0.5g未満であれば
「ノンシュガー」と表示することが許されるし、
5kcal未満であれば、「ノンカロリー」と表示することができる。
これについて、「飲みすぎたら意味が無いだろ」って指摘ができる。
このように食品表示の世界には、けっこう怪しいものが多い。)
トランス脂肪酸の食品含有量はそもそも低いので、
機械の検出力に依存するところもある。
「ゼロ」にせざるを得ないレベルの食品もあるかもしれない。
その辺の記載がないのが科学者としては残念。
(日本の多くの研究施設でも、微量の脂肪酸でも測定できる
高性能の機械は導入されていない)
また、トランス脂肪酸の摂取量を制限する・・ということは、
菓子パンやファーストフードなど、普通の食の改善のターゲットと
なりそうなものばかりで、本当に「トランス脂肪酸」っていう一種に
着目する必要があるのか?という疑問もある。
欧米では食品の栄養素レベルの表示など、かなり昔から行政の力が及んでいるので
近年のトランス脂肪酸の動向についても食品業界の対応も早いと思う。
日本はそうはいかないのでは・・?という懸念もある。
また、アメリカの行政と消費者庁と異なる点の1つとして、
アメリカの行政は、どの科学論文を参照にしているのか明確にしているが、
日本の消費者庁は明確にしていないところがあげられる。
日本の情報を読んで「このデータどっからきたの?」という点がいくつかある。
自分としてはイライラする。
消費者庁の動きは欧米の動きにひっぱられただけで
日本の現状や日本の科学者のこれまでの貢献を無視している。
(あるいは、偏った情報を誇張している)
その辺の批判は当然あるだろう。
その他、多くの疑問が残されたまま、動き出した消費者庁・・
政府と科学者と消費者と、
仲良く政策を練っていくのがよいと思うのだけど。
今後、どんな動きがあるのやら。
食品化学、栄養学関係の学会など、
今後、声明を発表してほしいと思う。
(因みに私の専門は、循環器系疾患、糖尿病に関与すると考えられている
血中のコレステロールや物質などのデータ解析・研究です)
1枚目の写真はネットで拾った、トランス脂肪酸が
多い類の食品のお写真でごじゃる。
ファーストフードのドーナツなど避けるのが無難・・
2枚目は、欧米各国のマクドナルドのポテトの
トランス脂肪酸の含有量。
国によってばらつきがあるのが興味深い・・
日本ではどうなのか!?
3枚目は、米国の食品表示の例。
この形式であらゆる食品に表示が義務付けられている。
国民の理解が追いついていないという懸念もある。
日本のそれと比べるとかなり厳しいと思う。
食品含有量を表示するような指針を策定した。
トランス脂肪酸というのは、脂肪の一種です。
メインの栄養素について「脂質・炭水化物・タンパク質」と
ざっくり考えるのはすでに古く、細分化しなくては、
意味が無いことがわかっています。
「魚の脂肪は身体にいいよ♪」 というのも、その一部。
「トランス」というのは、脂肪の分子構造のお話。
トランス脂肪酸の摂取は、
心臓の病気を患う確率を上げることが知られている。
また悪玉コレステロールを上昇させ、善玉コレステロールを減少させ、
慢性的な炎症を示す因子を上昇させることでも知られている。
科学的証拠が積みあがってきたのが1990年頃から。
2000年になってヨーロッパの各国で政策が敷かれ始め、
アメリカでも2006年には食品への表示が義務化されている。
2005年からニューヨーク市は、レストランに工業的加工を経た
マーガリンやショートニングなどの使用を禁止し、
世界中で行政が動いている。
そして日本もその流れに乗っかったわけです。
正直な感想としては、
研究が少ないのによくやるな・・
食品会社がかわいそうだな・・
という感じ。
研究の量も多くないし、
何より測定技術や人を対象にした研究手法が確立していない。
限られた研究からでも、現代の日本においてトランス脂肪酸が、
健康に影響を与える事は、自分の知る限り支持されていない。
また欧米に比べて摂取量がかなり低いことがわかっており
人口全体のレベルで懸念するべきか否かも明確ではない。
たとえば、トランス脂肪酸の摂取が高いから、
何か健康状態が悪化しているだとか
直接、日本人で検討した研究は自分の知る限り無い。
一応、消費者庁の資料にも書いてあるけれど、
トランス脂肪酸には、
■1■ 質の悪い油による調理によるもの、
■2■ 食品加工の過程で生じるもの、
■3■ 反芻動物(牛)のお肉や乳製品に自然に含まれているものと
自分の知る限り3種類ある。
■1■ 質の悪い油による調理によるものっていうのは、
ファーストフードのフライドポテトや揚げ物など。。
つねに熱っせられた油は変性することが疑われています。
欧米のマクドナルドやケンタッキーフライドチキンの製品に
トランス脂肪酸がかなり多く含まれていることが
有名な医学雑誌に紹介されています。
(医学論文に食品の成分が紹介されるというのはとっても稀)
■2■ 食品加工の過程で生じるものというのは、
マーガリンやショートニングに含まれる類。
植物油を固形化させる際に、生じることが知られています。
でも、製造の仕方で、トランス脂肪酸が生じないことも知られています。
■3■ 反芻動物から得られるトランス脂肪酸は、
主に2005年以降の研究から、身体に良くないばかりか、
よいかもしれないことも示唆されており、その科学はまだ落ち着いていません。
こうした3つの類から考えて、ニューヨーク市や欧米各国は
工業的に加工された食品に限定して、規制を敷いたりしている。
そのあたりの細かに区別するのが、トランス脂肪酸の規制には必要と思う。
ミルク由来のトランス脂肪酸を多く含んでいるチーズなど
たくさん摂取するヨーロッパ人にとっては当然だろう。
今は、トランス脂肪酸を、さらに細かく分けることができ
安全なものとそうでないものを選り分けることが出来る。
乳製品に多く含まれている類など、安全であることも示唆されている。
いろいろと、トランス脂肪酸の種類などの科学も蓄積している中、
日本の消費者庁はもっと慎重になるべきでは・・と思う。
本当は安全なのに危険性あり・・
と判断されるものなど出てくるのでは?
生クリームなんて、乳脂肪を凝縮させたものなのだから、
絶対、トランス脂肪酸の含有量が高くなる。
トランス脂肪酸の含有量を表示したところで混乱を招くだけとなるのでは?
また100グラムあたりの含有量について
ある一定量以下ならゼロとしてよいということ。
つまり、「ゼロ」と表示されていても、
実際の摂取量が100グラムを越えるものなら
当然、摂取量も増えていく。
菓子パンなど、その辺の網をくぐってくる物があると思う。
(糖分も、食品100g、飲み物100mlあたり0.5g未満であれば
「ノンシュガー」と表示することが許されるし、
5kcal未満であれば、「ノンカロリー」と表示することができる。
これについて、「飲みすぎたら意味が無いだろ」って指摘ができる。
このように食品表示の世界には、けっこう怪しいものが多い。)
トランス脂肪酸の食品含有量はそもそも低いので、
機械の検出力に依存するところもある。
「ゼロ」にせざるを得ないレベルの食品もあるかもしれない。
その辺の記載がないのが科学者としては残念。
(日本の多くの研究施設でも、微量の脂肪酸でも測定できる
高性能の機械は導入されていない)
また、トランス脂肪酸の摂取量を制限する・・ということは、
菓子パンやファーストフードなど、普通の食の改善のターゲットと
なりそうなものばかりで、本当に「トランス脂肪酸」っていう一種に
着目する必要があるのか?という疑問もある。
欧米では食品の栄養素レベルの表示など、かなり昔から行政の力が及んでいるので
近年のトランス脂肪酸の動向についても食品業界の対応も早いと思う。
日本はそうはいかないのでは・・?という懸念もある。
また、アメリカの行政と消費者庁と異なる点の1つとして、
アメリカの行政は、どの科学論文を参照にしているのか明確にしているが、
日本の消費者庁は明確にしていないところがあげられる。
日本の情報を読んで「このデータどっからきたの?」という点がいくつかある。
自分としてはイライラする。
消費者庁の動きは欧米の動きにひっぱられただけで
日本の現状や日本の科学者のこれまでの貢献を無視している。
(あるいは、偏った情報を誇張している)
その辺の批判は当然あるだろう。
その他、多くの疑問が残されたまま、動き出した消費者庁・・
政府と科学者と消費者と、
仲良く政策を練っていくのがよいと思うのだけど。
今後、どんな動きがあるのやら。
食品化学、栄養学関係の学会など、
今後、声明を発表してほしいと思う。
(因みに私の専門は、循環器系疾患、糖尿病に関与すると考えられている
血中のコレステロールや物質などのデータ解析・研究です)
1枚目の写真はネットで拾った、トランス脂肪酸が
多い類の食品のお写真でごじゃる。
ファーストフードのドーナツなど避けるのが無難・・
2枚目は、欧米各国のマクドナルドのポテトの
トランス脂肪酸の含有量。
国によってばらつきがあるのが興味深い・・
日本ではどうなのか!?
3枚目は、米国の食品表示の例。
この形式であらゆる食品に表示が義務付けられている。
国民の理解が追いついていないという懸念もある。
日本のそれと比べるとかなり厳しいと思う。
味噌汁と胃炎の関係
2009年12月30日 ●Boston●科学雑記 コメント (14)
先ほどの日記は勢いに任せて書いたので一旦削除しました。
日常の中で研究者としての苛立ちを隠し切れないのはよくない
ことです。。。気をつけます。
改めて。。。
つい昨日、人間ドッグを受けた芸能人の寿命を
宣告するという番組があったのですが、
あるタレントさんの胃炎を改善する方法
として味噌汁にオリーブオイルを入れて飲む、
というのがありました。
アドバイスしたのは診断した医師。。だったと思います。
そのアドバイスの中で、味噌汁を飲むと胃炎がよくなる、
味噌汁はガンを予防するという一説があったそうですが、
そのような話は聴いたことがなく寧ろその全くの逆で
悪い方の結果しか出ていなかったように思います。
ただ、単純にオリーブオイルを摂り油膜が胃壁を覆うことで
粘膜が直接の刺激を受けにくくなり(オイル自体の成分が
胃壁を保護するということは証明されてないし
その逆の可能性さえありえることも否定はできない)、
次第に症状が改善されていくということならば理屈としては解かります。
しかし、このアドバイスは味噌汁自体が
がん予防になると言っていて非常に驚きました。
最低でも数年、長いものでは二十年という単位で追跡する
疫学研究の結果は、エビデンスとして特に信用できるものです。
そして医学においての基礎研究や臨床研究のその更に基礎となる
課題を見出し探るという役割の学問だから、公衆に対するメッセージが
強いという特徴があります。。。
僕の研究は心臓の疫学なので、胃炎の研究に詳しいとは言えませんが
公共の電波を通してのこういう根拠のない話には
かなり敏感に反応してしまいます。
恐らくは、単純にオリーブオイルを摂りやすくする為の飲み物として
味噌汁を選んだのかもしれませんが、それが医師が薦めるにしては
余りにもお粗末とな・・。
オリーブオイルを薦めるなら、組み合わせ的にもトマトジュースがベストだよね。
ところで、自分が医学論文のデータベースを調べるということは、
英語の論文に限られるものということになります。
世界中で英語の論文にもなっていないエビデンス・・というのは、
50年前ならよいですが・・今の世の中では通用しないと考えています。
味の素がアミノ酸の研究で、資生堂が皮膚の研究で
英語の論文を書いているように、英語の論文の有無が重要であると
研究者はもちろん、一部の企業も認めています。それは、
英語の科学雑誌には、公平な査読システムが確立されているからです。
英語のデータベースのサーチでは、
英語の論文にできる前の段階の研究、あるいは
英語の論文にするつもりのない研究者による研究など
ひろいきれていないのでしょうが、メディアに流れる情報も、
公平で科学的・客観的な評価がなされなくてはならないと
この件でも、また感じたのでした。
日常の中で研究者としての苛立ちを隠し切れないのはよくない
ことです。。。気をつけます。
改めて。。。
つい昨日、人間ドッグを受けた芸能人の寿命を
宣告するという番組があったのですが、
あるタレントさんの胃炎を改善する方法
として味噌汁にオリーブオイルを入れて飲む、
というのがありました。
アドバイスしたのは診断した医師。。だったと思います。
そのアドバイスの中で、味噌汁を飲むと胃炎がよくなる、
味噌汁はガンを予防するという一説があったそうですが、
そのような話は聴いたことがなく寧ろその全くの逆で
悪い方の結果しか出ていなかったように思います。
ただ、単純にオリーブオイルを摂り油膜が胃壁を覆うことで
粘膜が直接の刺激を受けにくくなり(オイル自体の成分が
胃壁を保護するということは証明されてないし
その逆の可能性さえありえることも否定はできない)、
次第に症状が改善されていくということならば理屈としては解かります。
しかし、このアドバイスは味噌汁自体が
がん予防になると言っていて非常に驚きました。
最低でも数年、長いものでは二十年という単位で追跡する
疫学研究の結果は、エビデンスとして特に信用できるものです。
そして医学においての基礎研究や臨床研究のその更に基礎となる
課題を見出し探るという役割の学問だから、公衆に対するメッセージが
強いという特徴があります。。。
僕の研究は心臓の疫学なので、胃炎の研究に詳しいとは言えませんが
公共の電波を通してのこういう根拠のない話には
かなり敏感に反応してしまいます。
恐らくは、単純にオリーブオイルを摂りやすくする為の飲み物として
味噌汁を選んだのかもしれませんが、それが医師が薦めるにしては
余りにもお粗末とな・・。
オリーブオイルを薦めるなら、組み合わせ的にもトマトジュースがベストだよね。
ところで、自分が医学論文のデータベースを調べるということは、
英語の論文に限られるものということになります。
世界中で英語の論文にもなっていないエビデンス・・というのは、
50年前ならよいですが・・今の世の中では通用しないと考えています。
味の素がアミノ酸の研究で、資生堂が皮膚の研究で
英語の論文を書いているように、英語の論文の有無が重要であると
研究者はもちろん、一部の企業も認めています。それは、
英語の科学雑誌には、公平な査読システムが確立されているからです。
英語のデータベースのサーチでは、
英語の論文にできる前の段階の研究、あるいは
英語の論文にするつもりのない研究者による研究など
ひろいきれていないのでしょうが、メディアに流れる情報も、
公平で科学的・客観的な評価がなされなくてはならないと
この件でも、また感じたのでした。
くるみ、ピーナッツでも・・。
2008年12月8日 ●Boston●科学雑記 コメント (8)
ナッツを1日あたり30グラムほどを食べて、
その分がカロリーとしては余分であったとしても、
ダイエットには良いとの事。
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/168/22/2449
そんな研究が報告された。スペインの研究。
Archives of Internal Medicineというのは、
アメリカの医学会が出版している内科系の学術雑誌。
白に青いラインがきれいな雑誌だ。
この研究は、循環器系の疾患になる率が高い、
肥満だったり、コレステロールが高かったり、タバコすっていたり
そうした大人を集めて行われた研究なのだけど、
1200人ほどを、3つのグループに分けて、
1つのグループには、地中海ダイエットの指導とオリーブオイルの提供
1つのグループには、地中海ダイエットの指導とナッツの提供
1つのグループには、低脂肪ダイエットの指導
を行ったのだそう。
ダイエットに成功し易い、体重を減らし易い人たちです。
研究を持続するためのモチベーションを高く保てる、また効果が得られ易い、
医学的にターゲットにされるべき人たちを研究対象としています。
合理的。
驚いたのが、4年間の研究で
オリーブオイルの提供というのは、3ヶ月ごとに15リットル
ナッツの提供は3ヶ月ごとに2キロという規模なのだ!すごい!
アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツをもらい続けているそうです。
けっこうお金かかってるだろうに・・と思ったのだが
スペインのオイル協会やカリフォルニアのナッツ業界などから
食べ物を寄付されていると記載されている。
たった1つの企業から、品物が寄付されているのと、
複数の企業・団体から、品物が寄付されているのと、
大分、印象が違いますね。
競合する2つの製薬会社が、協力して
薬の臨床試験をやったとしたら、その結果はなんか信頼性が高くなるかな?
毒性の研究などは、多くの患者のデータを複数の企業が共有して
効率よく研究してもらえたらと思います。
研究報告は、
その最初の1年の経過をみて、現在、報告されたもの。
10の研究施設で研究が並行して行われ、
多くの研究者が携わっている模様。
稀にみる大きさの規模である。
結果というと、ナッツを食べているグループは、
メタボリックシンドロームを最初に患っていた人が
メタボリックシンドロームじゃなくなる率が有意に高かったらしい。
1日30グラムほどの摂取となる。180キロカロリーほど。
ナッツというと、植物性脂肪によるカロリーの摂取が問題となりそうだけど
良い脂肪だし、ミネラルやタンパク質の質も良いという感じ。
おそらく満腹感を与えるのと、たんぱく質の摂取で、
熱代謝の効率を上げるか・・そんなところかな?
必須栄養素じゃなくても良い成分は含まれていそう。
実際に、腹囲が小さくなった人が増えたようだ。
ナッツというと、塩が振られているものが多いので
それは気をつけなくてなりませんね。
オリーブオイルのグループはちょっとカロリー摂取高かったみたい。
またナッツに比べると、脂質以外の栄養素がまったく頼り無い。
とはいえ、地中海ダイエットが良いかどうかについては触れていない研究だけど
傾向としては良いみたいです。
低脂肪ダイエットのグループは、
当然、炭水化物の摂取量が増したことだろう。
その質というと、たとえば糖分の摂取に偏ってしまったりしては
問題になるわけで、そうした可能性を考えると、
比較対照となるグループがそもそも良くない気がする。
1日30グラムのナッツというと100円もしない。
そう考えてみると、薬の研究と比較して
研究を行ううえでは、それほど経済的に難しいわけではない。
薬と違って、特許のような市場の占拠が可能ではない分、
企業のインセンティブは低いかもしれないけれど、
食の研究も、薬の研究並みの規模になってきたかなぁと思う。
1300人が科学として認められうる被験者の人数の一例。
あるあ○大辞典のように、数人でやってみせている似非物が、
いかに信頼し得ないものか考えられる。。
画像はこちらから。
http://www.sheknows.com/articles/803981.htm
その分がカロリーとしては余分であったとしても、
ダイエットには良いとの事。
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/168/22/2449
そんな研究が報告された。スペインの研究。
Archives of Internal Medicineというのは、
アメリカの医学会が出版している内科系の学術雑誌。
白に青いラインがきれいな雑誌だ。
この研究は、循環器系の疾患になる率が高い、
肥満だったり、コレステロールが高かったり、タバコすっていたり
そうした大人を集めて行われた研究なのだけど、
1200人ほどを、3つのグループに分けて、
1つのグループには、地中海ダイエットの指導とオリーブオイルの提供
1つのグループには、地中海ダイエットの指導とナッツの提供
1つのグループには、低脂肪ダイエットの指導
を行ったのだそう。
ダイエットに成功し易い、体重を減らし易い人たちです。
研究を持続するためのモチベーションを高く保てる、また効果が得られ易い、
医学的にターゲットにされるべき人たちを研究対象としています。
合理的。
驚いたのが、4年間の研究で
オリーブオイルの提供というのは、3ヶ月ごとに15リットル
ナッツの提供は3ヶ月ごとに2キロという規模なのだ!すごい!
アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツをもらい続けているそうです。
けっこうお金かかってるだろうに・・と思ったのだが
スペインのオイル協会やカリフォルニアのナッツ業界などから
食べ物を寄付されていると記載されている。
たった1つの企業から、品物が寄付されているのと、
複数の企業・団体から、品物が寄付されているのと、
大分、印象が違いますね。
競合する2つの製薬会社が、協力して
薬の臨床試験をやったとしたら、その結果はなんか信頼性が高くなるかな?
毒性の研究などは、多くの患者のデータを複数の企業が共有して
効率よく研究してもらえたらと思います。
研究報告は、
その最初の1年の経過をみて、現在、報告されたもの。
10の研究施設で研究が並行して行われ、
多くの研究者が携わっている模様。
稀にみる大きさの規模である。
結果というと、ナッツを食べているグループは、
メタボリックシンドロームを最初に患っていた人が
メタボリックシンドロームじゃなくなる率が有意に高かったらしい。
1日30グラムほどの摂取となる。180キロカロリーほど。
ナッツというと、植物性脂肪によるカロリーの摂取が問題となりそうだけど
良い脂肪だし、ミネラルやタンパク質の質も良いという感じ。
おそらく満腹感を与えるのと、たんぱく質の摂取で、
熱代謝の効率を上げるか・・そんなところかな?
必須栄養素じゃなくても良い成分は含まれていそう。
実際に、腹囲が小さくなった人が増えたようだ。
ナッツというと、塩が振られているものが多いので
それは気をつけなくてなりませんね。
オリーブオイルのグループはちょっとカロリー摂取高かったみたい。
またナッツに比べると、脂質以外の栄養素がまったく頼り無い。
とはいえ、地中海ダイエットが良いかどうかについては触れていない研究だけど
傾向としては良いみたいです。
低脂肪ダイエットのグループは、
当然、炭水化物の摂取量が増したことだろう。
その質というと、たとえば糖分の摂取に偏ってしまったりしては
問題になるわけで、そうした可能性を考えると、
比較対照となるグループがそもそも良くない気がする。
1日30グラムのナッツというと100円もしない。
そう考えてみると、薬の研究と比較して
研究を行ううえでは、それほど経済的に難しいわけではない。
薬と違って、特許のような市場の占拠が可能ではない分、
企業のインセンティブは低いかもしれないけれど、
食の研究も、薬の研究並みの規模になってきたかなぁと思う。
1300人が科学として認められうる被験者の人数の一例。
あるあ○大辞典のように、数人でやってみせている似非物が、
いかに信頼し得ないものか考えられる。。
画像はこちらから。
http://www.sheknows.com/articles/803981.htm
感謝祭での噂・・
2008年11月28日 ●Boston●科学雑記
11月末はThanks Giving。感謝祭。
その休日、一般の皆さんは七面鳥(ターキー)を
クランベリーソースやグレイビーで戴く。
いつも行くグロセリーストアにも七面鳥がごそごそと並ぶ。
七面鳥を食べると眠くなるという話がある。
日本人もアメリカ人も同じことを言う。
http://chemistry.about.com/od/holidaysseasons/a/tiredturkey.htm
アミノ酸に関する知識があれば理解できるのだけど、
考えてみれば、睡眠障害やら欝やらと関係のある話かも?
僕らの食の三大栄養素というと、炭水化物・たんぱく質・脂質である。
これに加えて、ビタミンやミネラルなどの栄養素が重要・・という話が一般。
医学の世界でも「予防医学が大事ですね」という話に沿って、
ダイエットが注目されてきているのだけど、その手の話で
ヒトの研究を大規模に扱う専門家が特に注目しているのは、
炭水化物の質、たんぱく質の質、脂質の質である。
炭水化物も細分化できるし、たんぱく質も細分化できる、脂質も細分化できる。
というか、細分化しなくてはそれぞれを栄養素として語る意味がない。
意味がないことは研究の蓄積からわかる。
インターネットの情報について、
管理栄養士などの監修がついていたとしても、
三大栄養素は、細かく分類されずにそのまま扱われている。
悲しいことです。
食と眠りっていう話になると、
トリプトファンというアミノ酸が注目される。
食べ物から摂取しないといけない必須アミノ酸。
七面鳥のトリプトファンの量は、
別の鶏肉とはちょっと多いけれど、
豚肉や魚とさほど変わらない含有量です。
では、なぜThanks Givingの料理だと眠くなるという話になるのか・・
それは、七面鳥一羽という量、一緒に食べる甘いものだとか、
Partyでの食事のようにダラダラ食べることが、
生物化学的に説明しうるメカニズムでもって、引き金になっている。
(詳しい話は省略)
つまりは、生物学的に、
「必ずしも七面鳥だから」
ということではないとわかっていても、
実際に、七面鳥が食される現場から、
「七面鳥を食べると眠くなる」という話が生まれてしまっている状態。
食べ物に含まれているものがなんであれ
その食べ物が、どう食べられるか・・
という食べ方の因子が特異的なために、
そんな話が生まれてしまったとさ。
生物学的に妥当といえるのかな?
そんな形で、たとえば、成分など関係なく、
食べ方が悪いために、あるいは一緒に食べる物が粗悪なために
悪玉にされてしまっているような、そんな食品も多そうだ・・。
画像はNational Geographicから拝借
http://animals.nationalgeographic.com/animals/wallpaper/wild-turkey_image.html
その休日、一般の皆さんは七面鳥(ターキー)を
クランベリーソースやグレイビーで戴く。
いつも行くグロセリーストアにも七面鳥がごそごそと並ぶ。
七面鳥を食べると眠くなるという話がある。
日本人もアメリカ人も同じことを言う。
http://chemistry.about.com/od/holidaysseasons/a/tiredturkey.htm
アミノ酸に関する知識があれば理解できるのだけど、
考えてみれば、睡眠障害やら欝やらと関係のある話かも?
僕らの食の三大栄養素というと、炭水化物・たんぱく質・脂質である。
これに加えて、ビタミンやミネラルなどの栄養素が重要・・という話が一般。
医学の世界でも「予防医学が大事ですね」という話に沿って、
ダイエットが注目されてきているのだけど、その手の話で
ヒトの研究を大規模に扱う専門家が特に注目しているのは、
炭水化物の質、たんぱく質の質、脂質の質である。
炭水化物も細分化できるし、たんぱく質も細分化できる、脂質も細分化できる。
というか、細分化しなくてはそれぞれを栄養素として語る意味がない。
意味がないことは研究の蓄積からわかる。
インターネットの情報について、
管理栄養士などの監修がついていたとしても、
三大栄養素は、細かく分類されずにそのまま扱われている。
悲しいことです。
食と眠りっていう話になると、
トリプトファンというアミノ酸が注目される。
食べ物から摂取しないといけない必須アミノ酸。
七面鳥のトリプトファンの量は、
別の鶏肉とはちょっと多いけれど、
豚肉や魚とさほど変わらない含有量です。
では、なぜThanks Givingの料理だと眠くなるという話になるのか・・
それは、七面鳥一羽という量、一緒に食べる甘いものだとか、
Partyでの食事のようにダラダラ食べることが、
生物化学的に説明しうるメカニズムでもって、引き金になっている。
(詳しい話は省略)
つまりは、生物学的に、
「必ずしも七面鳥だから」
ということではないとわかっていても、
実際に、七面鳥が食される現場から、
「七面鳥を食べると眠くなる」という話が生まれてしまっている状態。
食べ物に含まれているものがなんであれ
その食べ物が、どう食べられるか・・
という食べ方の因子が特異的なために、
そんな話が生まれてしまったとさ。
生物学的に妥当といえるのかな?
そんな形で、たとえば、成分など関係なく、
食べ方が悪いために、あるいは一緒に食べる物が粗悪なために
悪玉にされてしまっているような、そんな食品も多そうだ・・。
画像はNational Geographicから拝借
http://animals.nationalgeographic.com/animals/wallpaper/wild-turkey_image.html
紫色の野菜たち
2008年11月1日 ●Boston●科学雑記 コメント (12)
次のうち自然界に存在しないものはどれか。
1.紫ピーマン
2.紫トマト
3.紫アスパラガス
4.紫にんじん
5.紫カリフラワー
6.紫キャベツ
7.ブルーベリー
答えは文中にあります。
紹介してくださったMimiさん、ありがとうございます!
僕は疫学の研究をしているので、若干(かなり?)畑違いですが
興味深く読ませていただきました。
自然界に存在しない紫色の野菜には、
遺伝子組み換えにより、色素化合物が導入されている。
この色素は抗酸化作用があるアントシアニンと呼ばれる化合物の類。
その色素を生産するようなタンパク質の生産を担う遺伝子を
生物工学的に導入したというわけですね。
遺伝子組み換え食品の安全性が懸念されるのは、
殺虫作用を持つ物質だとか、アレルギーの原因物質だとか、
そんな種類に関係のある遺伝子を導入した際のことだと思う。
以前、ブラジルナッツの遺伝子を組み込んだピーナッツにより、
ブラジルナッツアレルギーを発症したケースを読んだことがある。
紫色を生んでいる色素は、画像に無い野菜・果物だと、
ナスだとか、葡萄だとかで常日頃から摂取しているので、
ほぼ安全だと考えられる。安全性については問題ないのでは。
今後の研究で簡単に裏付けられると思う。
工学的な遺伝子組み替えでなくても、
いろいろ接ぎ木やら、人工的に交配させることで
自然に存在しない植物を栽培することが可能だ。
倫理的なラインを引くのは難しいような気がする。
で、自然に存在しないものの答えは紫トマト!
その報告のあるNature Biotechnologyという学術雑誌をさっと目を通しました。
Enrichment of tomato fruit with health-promoting anthocyanins by
expression of select transcription factors.
Butelli E, Titta L, Giorgio M, Mock HP, Matros A, Peterek S, Schijlen
EG, Hall RD, Bovy AG, Luo J, Martin C.
Nat Biotechnol. 2008 Oct 26.
http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/abs/nbt.1506.html
TIMES ONLINE
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article5014788.ece
容易に信じられないことかもしれないけれど、
医学でもなんでも、いずれの科学でも、
こうしたニュースとなると、専門家の監修とうたっていても、
信憑性の薄いものが数多くあるので一般の人たちは要注意・・。
でも、このニュースの由来は、研究者であれば誰もがその情報に信頼をおくであろう
学術雑誌のNature Biotechnology。
論文のアクセプトの際にも、専門家の客観的なレビューが入るので信頼できる。
実際に、癌を発症しやすいように遺伝子が組み替えられたマウスを使って、
普通のトマトと、紫トマトを比較したところ、紫トマトの方を摂取した
グループの方が、寿命が長かったようだ。
「科学的にこういうことが可能ですよ」という報告だと思う。
僕としては、いろいろな可能性について議論を生んだ
遺伝子組み換え羊「ドリー」の話とあまり変わらない印象を持っています。
市場に出回っても、「不自然な健康食品」という扱いで終りそう。
そもそも健康に良いからと言って、毎日同じ食品を食べる人はいないし・・。
しかしながら・・・奇抜で異様な紫トマトだが、
科学的に根拠が無いくせに、抗癌効果をうたっている健康食品よりははるかに
信頼できる。
そういった選択肢としてはあっても良いと思う。
それに関連して、この研究、寿命を長さを調べるより
発症した癌の悪化や転移を防ぐかどうかを検証した方が
医学的に意義があると思う。そっちの方向の方が良いと思う。
スーパーマーケットに出荷するよりも医療現場に応用する方が良いのでは。
公に出しては、倫理的な議論を生んで、
ある方面では有効なものなのに、違うところで潰されてしまいそう。
また違う見方なのだけど・・
僕らの生活には、すでに慣れ親しんだ赤いトマトがあるから、
紫色をしたトマトというと異様に感じてしまうだろう。
公に出回っているインスリンだとかのタンパク質製剤は、
だいたい遺伝子組み換え大腸菌などから大量生産されている。
ビタミン剤なども、工学的なプロセスを経て生産されている。
医学分野ではフランケンシュタイン(つまり「えせ」)みたいなのがわんさかいる。
遺伝子組み換え豚やら、フェレットやら。
遺伝子組み換え野菜も、そんな捉え方をすれば違和感も減ると思う。
公衆に近いところだから変に盛り上がってしまうのだ。
科学的な発展の一部、
限られた応用・・そんな範疇に留めておけばよいかと思います。
1.紫ピーマン
2.紫トマト
3.紫アスパラガス
4.紫にんじん
5.紫カリフラワー
6.紫キャベツ
7.ブルーベリー
答えは文中にあります。
紹介してくださったMimiさん、ありがとうございます!
僕は疫学の研究をしているので、若干(かなり?)畑違いですが
興味深く読ませていただきました。
自然界に存在しない紫色の野菜には、
遺伝子組み換えにより、色素化合物が導入されている。
この色素は抗酸化作用があるアントシアニンと呼ばれる化合物の類。
その色素を生産するようなタンパク質の生産を担う遺伝子を
生物工学的に導入したというわけですね。
遺伝子組み換え食品の安全性が懸念されるのは、
殺虫作用を持つ物質だとか、アレルギーの原因物質だとか、
そんな種類に関係のある遺伝子を導入した際のことだと思う。
以前、ブラジルナッツの遺伝子を組み込んだピーナッツにより、
ブラジルナッツアレルギーを発症したケースを読んだことがある。
紫色を生んでいる色素は、画像に無い野菜・果物だと、
ナスだとか、葡萄だとかで常日頃から摂取しているので、
ほぼ安全だと考えられる。安全性については問題ないのでは。
今後の研究で簡単に裏付けられると思う。
工学的な遺伝子組み替えでなくても、
いろいろ接ぎ木やら、人工的に交配させることで
自然に存在しない植物を栽培することが可能だ。
倫理的なラインを引くのは難しいような気がする。
で、自然に存在しないものの答えは紫トマト!
その報告のあるNature Biotechnologyという学術雑誌をさっと目を通しました。
Enrichment of tomato fruit with health-promoting anthocyanins by
expression of select transcription factors.
Butelli E, Titta L, Giorgio M, Mock HP, Matros A, Peterek S, Schijlen
EG, Hall RD, Bovy AG, Luo J, Martin C.
Nat Biotechnol. 2008 Oct 26.
http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/abs/nbt.1506.html
TIMES ONLINE
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article5014788.ece
容易に信じられないことかもしれないけれど、
医学でもなんでも、いずれの科学でも、
こうしたニュースとなると、専門家の監修とうたっていても、
信憑性の薄いものが数多くあるので一般の人たちは要注意・・。
でも、このニュースの由来は、研究者であれば誰もがその情報に信頼をおくであろう
学術雑誌のNature Biotechnology。
論文のアクセプトの際にも、専門家の客観的なレビューが入るので信頼できる。
実際に、癌を発症しやすいように遺伝子が組み替えられたマウスを使って、
普通のトマトと、紫トマトを比較したところ、紫トマトの方を摂取した
グループの方が、寿命が長かったようだ。
「科学的にこういうことが可能ですよ」という報告だと思う。
僕としては、いろいろな可能性について議論を生んだ
遺伝子組み換え羊「ドリー」の話とあまり変わらない印象を持っています。
市場に出回っても、「不自然な健康食品」という扱いで終りそう。
そもそも健康に良いからと言って、毎日同じ食品を食べる人はいないし・・。
しかしながら・・・奇抜で異様な紫トマトだが、
科学的に根拠が無いくせに、抗癌効果をうたっている健康食品よりははるかに
信頼できる。
そういった選択肢としてはあっても良いと思う。
それに関連して、この研究、寿命を長さを調べるより
発症した癌の悪化や転移を防ぐかどうかを検証した方が
医学的に意義があると思う。そっちの方向の方が良いと思う。
スーパーマーケットに出荷するよりも医療現場に応用する方が良いのでは。
公に出しては、倫理的な議論を生んで、
ある方面では有効なものなのに、違うところで潰されてしまいそう。
また違う見方なのだけど・・
僕らの生活には、すでに慣れ親しんだ赤いトマトがあるから、
紫色をしたトマトというと異様に感じてしまうだろう。
公に出回っているインスリンだとかのタンパク質製剤は、
だいたい遺伝子組み換え大腸菌などから大量生産されている。
ビタミン剤なども、工学的なプロセスを経て生産されている。
医学分野ではフランケンシュタイン(つまり「えせ」)みたいなのがわんさかいる。
遺伝子組み換え豚やら、フェレットやら。
遺伝子組み換え野菜も、そんな捉え方をすれば違和感も減ると思う。
公衆に近いところだから変に盛り上がってしまうのだ。
科学的な発展の一部、
限られた応用・・そんな範疇に留めておけばよいかと思います。
【シカゴ18日時事】ダイエットでは最も一般的な低脂肪法よりも、信頼性に疑問が持たれていた低炭水化物法の方が効果が大きい−。こんな研究報告をイスラエルのベングリオン大学を中心とする国際研究チームが米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」最新号で発表した。
同チームはイスラエルの322人(男性が86%)を3グループに分け、(1)低脂肪法(カロリー制限あり)(2)野菜、穀類を中心にしてオリーブ油を多用する地中海法(同あり)(3)低炭水化物法(同なし)−の3方法に基づく食事をそれぞれ2年間続けてもらい、体重などを分析した。
その結果、2年後の体重減少幅の平均は低脂肪2.9キロ、地中海4.4キロで、低炭水化物が4.7キロと最も良かった。低炭水化物法では、善玉コレステロールも増加したという。
先日、Yahooのニュースに出ていたもの。
Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet
I. Shai and Others
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/359/3/229
医学雑誌に投稿され、いろいろとレターが続くと思うが・・。
この記事だけ読むと、低炭水化物食が良いように取れるけれど、
地中海食とあまり変わらない。
論文を読んだ印象としては地中海食の方が良い。
以下、記事にされていない内容の要約
・地中海食は低炭水化物食と同じように体重が減少。
・男性が80%強の研究なのだけど、女性だけで見ると、
地中海食の方が体重の減少を他の2種より高く示している。
(6kg vs 2kg)
・皆、Body Mass Indexが27以上である。
BMI=体重(kg)/{身長(m)×身長(m)}
160 cmの人で、70 kg以上ということ。
もともと太っているので、痩せ易い人たちだったと言える。
それでも2年間で4キロ程度の減少ということ。
ちなみに日本人は25以上が人口の約3%。
国の平均は22くらい。
・また低炭水化物食を続けられた人がもっとも少ない。
(達成者70%ちょっと。他は80%以上。)
低炭水化物食が最も続けるのが困難。(過去の知見と同じ。)
この点でも地中海食の方が良いのでは。
・リバウンドのような傾向が、
低炭水化物食には認められている。
・全員、運動するよう指導を受けている。
・善玉コレステロールの上昇について、
低炭水化物食の価値が述べられているのだけど、
地中海食については、悪玉コレステロールの減少、
インスリン代謝の改善が観測されている。
・低脂肪食自体、昔から科学性を疑われている。
低脂肪食が、比較対照として書かれているような印象を受けるけれど、
比較対照としてふさわしくないのでは。
・低炭水化物食は腎機能への影響が懸念されているが、
この研究では未検討。
・イスラエル人が被験者。
80%ほどがユダヤ教徒らしい。
ユダヤ人というと:
http://www.myrtos.co.jp/index.html?url=http://myrtos.co.jp/topics/juda/juda04.html
(自分の住んでいるお家の近くには、
イスラエル大使館のようなところがあり、旗が揺れています。
それと関係してか、ユダヤ人レストランが多くある。
だから・・コーシェルはなじみのある言葉。)
持続のし易さと、医学的な効果を考えると、
地中海食の方が優勢のように感じています。
地中海食を楽しみにつつ、低炭水化物食を導入・・というのが
一番良いのではないかな・・・?
どちらも野菜果物の摂取量、資質の質、、よくできるしね。
低炭水化物・地中海食というのも可能です。
運動の指導を受けて、さらに食事の指導を受けて、
けっこう太った人が、2年間で、平均4キロのダイエットに成功・・。
あんまりすごくないような。。。
画像は、地中海ダイエットを実施するうえでのモデル。
図のようなバランスで食べると良いですよというものです。
もっと魚は下でもいいのでは?
トランス脂肪酸 ? ー 街の動き & ドーナツ
2008年3月5日 ●Boston●科学雑記
1月のこと、
トランス脂肪酸の規制に関する議案が動き出した模様。
http://bostonist.com/2008/01/11/boston_close_to.php
この手の科学に大きく貢献している研究者が集う街でもあるし、
それは不思議じゃないな・・と思うところです。
政策の顧問など、自分の知る科学者がいるかな・・?
アジアでも欧米でも、規制関係の動きがあります。
アジアでは、ラベル表示という程度ですね。
レストランの規制などはまだまだ・・かな。
http://www.bantransfats.com/
http://www.stop-trans-fat.com/
日本は出てきておりません・・。
あの街ではこうしている、この街ではこうしている・・・
自分の街では何も動いていない・・
などなどの考察が成されれば良いというところでしょうか。
こうしてNGO/NPOといえども、情報を集めているところとなると
無視できないものになっていくのでしょう。
偏った情報ではなく、整理された情報が、街の自治に伝わっていけばと思います。
このトランス脂肪酸に限らず。
公衆衛生に関するところでも伝えたように、
食への関心が、こうした1つの成分の科学によって無難に平等に、高まっていけばね。
企業側やマスコミは、どうか1つの情報だけを独り歩きさせて、
風評被害とやらを生んだり・・ということがありませんように。
ところで、トランス脂肪酸の摂取に貢献している1つのアイテムが、
ドーナツであることが知られているんだけれど、
画像、引っ張ってこようって思ってウェブをサーチしたら、
ミスタードーナツのホームページで、栄養成分表を発見。
http://www.misterdonut.jp/menu/eiyou/eiyou.pdf
以前も書いていたように、炭水化物の種類だとか、脂質の種類だとか
そういう話が健康と栄養を語る上で重要なのだけど、
全然、細分化されておらず驚きました。
そして、脂質の量が自分の思っている以上に多い。
オールドファッション 290 kcal の場合、
脂質が17.8 g
炭水化物が28.5 g。
1/3以上が脂質なのか・・・?
脂肪の摂取に貢献しうるものであることが理解できます。
フライドポテトにドーナツとか食べたらすごい脂肪の摂取。
カロリーは
脂質1 gあたり9 kcal、
炭水化物1 gあたり4 kcal
なので、カロリーの約半分は、脂肪からの摂取です。
砂糖ばかりかと思っていたら、そうでもなく・・という印象。
普通の食生活では、カロリーの30〜35%以上が高脂肪という考えなので、
このドーナツ、高脂肪の製品と言えますです。
果たして、どれほどがトランス脂肪酸でしょうか・・?気になるところ。
街の動きがあって、トランス脂肪酸の制約が働いたりするものの、
こうしたチェーン店を展開している類の企業に対しては、
やっぱり全国的な圧力をかけていかないと動きそうにないな。
むしろこうした企業が、率先して自治に間接的に貢献してくれるような、
そんなキャンペーンを実施してくれたら・・と思うのですが。
こうした業界と医学との関係が密接になる・・というのは非現実的に聴こえますね。
徐々にシフトしていってほしいと思います。
マクドナルドやケンタッキー、ミスタードーナツに行ったら、
必ず身体に良いものが食べられるような世の中に。
これまでのトランス脂肪酸の話
トランス脂肪酸 ?
http://diarynote.jp/d/85527/20061206.html
トランス脂肪酸 ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070702.html
トランス脂肪酸 ? − 身体への影響
http://diarynote.jp/d/85527/20071101.html
トランス脂肪酸 ? − 日本人の摂取
http://diarynote.jp/d/85527/20071102.html
トランス脂肪酸 ? − マーガリン
http://diarynote.jp/d/85527/20071103.html
トランス脂肪酸 ? − 含有量表示と科学の限界
http://diarynote.jp/d/85527/20071104.html
トランス脂肪酸 ? − 揚げ物は?
http://diarynote.jp/d/85527/20071106.html
トランス脂肪酸 ? − 公衆衛生からの視点
http://diarynote.jp/d/85527/20071108.html
トランス脂肪酸の規制に関する議案が動き出した模様。
http://bostonist.com/2008/01/11/boston_close_to.php
この手の科学に大きく貢献している研究者が集う街でもあるし、
それは不思議じゃないな・・と思うところです。
政策の顧問など、自分の知る科学者がいるかな・・?
アジアでも欧米でも、規制関係の動きがあります。
アジアでは、ラベル表示という程度ですね。
レストランの規制などはまだまだ・・かな。
http://www.bantransfats.com/
http://www.stop-trans-fat.com/
日本は出てきておりません・・。
あの街ではこうしている、この街ではこうしている・・・
自分の街では何も動いていない・・
などなどの考察が成されれば良いというところでしょうか。
こうしてNGO/NPOといえども、情報を集めているところとなると
無視できないものになっていくのでしょう。
偏った情報ではなく、整理された情報が、街の自治に伝わっていけばと思います。
このトランス脂肪酸に限らず。
公衆衛生に関するところでも伝えたように、
食への関心が、こうした1つの成分の科学によって無難に平等に、高まっていけばね。
企業側やマスコミは、どうか1つの情報だけを独り歩きさせて、
風評被害とやらを生んだり・・ということがありませんように。
ところで、トランス脂肪酸の摂取に貢献している1つのアイテムが、
ドーナツであることが知られているんだけれど、
画像、引っ張ってこようって思ってウェブをサーチしたら、
ミスタードーナツのホームページで、栄養成分表を発見。
http://www.misterdonut.jp/menu/eiyou/eiyou.pdf
以前も書いていたように、炭水化物の種類だとか、脂質の種類だとか
そういう話が健康と栄養を語る上で重要なのだけど、
全然、細分化されておらず驚きました。
そして、脂質の量が自分の思っている以上に多い。
オールドファッション 290 kcal の場合、
脂質が17.8 g
炭水化物が28.5 g。
1/3以上が脂質なのか・・・?
脂肪の摂取に貢献しうるものであることが理解できます。
フライドポテトにドーナツとか食べたらすごい脂肪の摂取。
カロリーは
脂質1 gあたり9 kcal、
炭水化物1 gあたり4 kcal
なので、カロリーの約半分は、脂肪からの摂取です。
砂糖ばかりかと思っていたら、そうでもなく・・という印象。
普通の食生活では、カロリーの30〜35%以上が高脂肪という考えなので、
このドーナツ、高脂肪の製品と言えますです。
果たして、どれほどがトランス脂肪酸でしょうか・・?気になるところ。
街の動きがあって、トランス脂肪酸の制約が働いたりするものの、
こうしたチェーン店を展開している類の企業に対しては、
やっぱり全国的な圧力をかけていかないと動きそうにないな。
むしろこうした企業が、率先して自治に間接的に貢献してくれるような、
そんなキャンペーンを実施してくれたら・・と思うのですが。
こうした業界と医学との関係が密接になる・・というのは非現実的に聴こえますね。
徐々にシフトしていってほしいと思います。
マクドナルドやケンタッキー、ミスタードーナツに行ったら、
必ず身体に良いものが食べられるような世の中に。
これまでのトランス脂肪酸の話
トランス脂肪酸 ?
http://diarynote.jp/d/85527/20061206.html
トランス脂肪酸 ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070702.html
トランス脂肪酸 ? − 身体への影響
http://diarynote.jp/d/85527/20071101.html
トランス脂肪酸 ? − 日本人の摂取
http://diarynote.jp/d/85527/20071102.html
トランス脂肪酸 ? − マーガリン
http://diarynote.jp/d/85527/20071103.html
トランス脂肪酸 ? − 含有量表示と科学の限界
http://diarynote.jp/d/85527/20071104.html
トランス脂肪酸 ? − 揚げ物は?
http://diarynote.jp/d/85527/20071106.html
トランス脂肪酸 ? − 公衆衛生からの視点
http://diarynote.jp/d/85527/20071108.html
トランス脂肪酸 ? − 公衆衛生からの視点
2007年11月8日 ●Boston●科学雑記
欧米では、トランス脂肪酸の削減を図って、
レストラン業界・食品業界などのマーケットが動いている。
NY Cityの動きはセンセーショナルで
けっこう有名になっていると思う。
それについて、ある医学雑誌は、
その公衆衛生政策の経緯について
次のようなインタビューをウェブに置いている。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2017/DC1
ここで聴こえる興味深い発言の1つは、
「肥満の問題はとても対処が難しいが、
トランス脂肪酸の対処は比較的容易だ。」
ということである。
肥満の問題はアメリカ(&世界)では社会問題化しているのだけど、
その政策よりも先に、トランス脂肪酸の低減に動いたNY市。
手をつけられるところから・・・というところかな。
肥満の問題は、
責任を負うべき食品・レストランが曖昧だし、
健康的な食べ物を食べるにしても、食べ過ぎては問題となるもの。
経済も心理も重要な因子で、とても複雑な問題だということ。
それに比べトランス脂肪酸は、
ヒトの摂取に貢献しているものが限られるために、
政策が容易なものなのかなと思う。
またトランス脂肪酸の有無によって、
味がそう変化するわけでもない。
消費者は「知っていれば」なんとかできるものかと思う。
ということで、
栄養と公衆衛生の問題のうち、
比較的に新しいトランス脂肪酸の問題に動いたNY市。
良い例なのかなと感じています。
それで考えてみたいなって思うこととしては、
この政策によって、消費者がどれだけ栄養に興味を持つかということ。
「自分の住む街では、政府がそれについて積極的になっている。
自分の食の、(簡単な)選択によって、将来の健康状態が変わってくるかもしれない。」
そんな風な考えを消費者が抱いてくれるのであれば、
トランス脂肪酸の低減の政策というのは、
トランス脂肪酸に関わらない栄養関係の政策や消費者の動向にも
影響を及ぼすかもしれない。
そうした効果っていうのは期待できないものでしょうか。
消費者の認識の変化。
たとえば、ヒ素というと、
森永ヒ素ミルク事件や、カレーにヒ素を混入させた林真澄の事件などもあり、
悪いイメージを持っていることでしょう。
そうした話は、ヒジキにヒ素が含まれているという情報1つで、
消費者が敏感に反応してしまうような、
そうした土台を作ったように思う。
日本は、独自の食文化のみならず、
そうした事件や公害のおかげで、国民の関心が高いのでは?と感じる。
アメリカ人とは比較にもならない。
アメリカ人の、食への関心を高める因子というのは、
果たして過去にあったかな・・・?
そう考えると、それほどないように思う。
近年の肥満の問題やらがやっとこさ、、
重くなった腰を上げる役割を果たしているのでは。
アメリカにおいて、トランス脂肪酸の話が、
食への関心を高める因子になりはしないかなと思います。
トランス脂肪酸に対する日本人の関心というのは、
まだ生まれたばかりで、国民の高い関心の的になっているものの、
研究側の反応が比較的鈍い。
アメリカは、「国内の研究→公衆」という情報だったが、
日本では、「国外の研究→公衆→国内の研究」
という情報の流れがあるように思う。
落ち着くまで時間を要するのでは?
画像は次から。
http://www.breadbaskets.com/customerservice_spa.cfm
http://www.breadbaskets.com/index.cfm
なんかいろいろあるね。
昔、1人6000円くらいするフランス料理のお店で、
フライドポテト(French Fries)を食しましたが、
きちんとしたお店では、良質の揚げ油を使っていると信じて、
それほどの摂取にはならなかっただろうなと今は思っています。
フライドポテトやポテトチップスも、
ジャンクフード化してしまって迷惑だよね。
植物性コレステロールが豊富なポテトチップは、
脂質の吸収を妨げたりするそうです。
そうした改良も可能。
レストラン業界・食品業界などのマーケットが動いている。
NY Cityの動きはセンセーショナルで
けっこう有名になっていると思う。
それについて、ある医学雑誌は、
その公衆衛生政策の経緯について
次のようなインタビューをウェブに置いている。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2017/DC1
ここで聴こえる興味深い発言の1つは、
「肥満の問題はとても対処が難しいが、
トランス脂肪酸の対処は比較的容易だ。」
ということである。
肥満の問題はアメリカ(&世界)では社会問題化しているのだけど、
その政策よりも先に、トランス脂肪酸の低減に動いたNY市。
手をつけられるところから・・・というところかな。
肥満の問題は、
責任を負うべき食品・レストランが曖昧だし、
健康的な食べ物を食べるにしても、食べ過ぎては問題となるもの。
経済も心理も重要な因子で、とても複雑な問題だということ。
それに比べトランス脂肪酸は、
ヒトの摂取に貢献しているものが限られるために、
政策が容易なものなのかなと思う。
またトランス脂肪酸の有無によって、
味がそう変化するわけでもない。
消費者は「知っていれば」なんとかできるものかと思う。
ということで、
栄養と公衆衛生の問題のうち、
比較的に新しいトランス脂肪酸の問題に動いたNY市。
良い例なのかなと感じています。
それで考えてみたいなって思うこととしては、
この政策によって、消費者がどれだけ栄養に興味を持つかということ。
「自分の住む街では、政府がそれについて積極的になっている。
自分の食の、(簡単な)選択によって、将来の健康状態が変わってくるかもしれない。」
そんな風な考えを消費者が抱いてくれるのであれば、
トランス脂肪酸の低減の政策というのは、
トランス脂肪酸に関わらない栄養関係の政策や消費者の動向にも
影響を及ぼすかもしれない。
そうした効果っていうのは期待できないものでしょうか。
消費者の認識の変化。
たとえば、ヒ素というと、
森永ヒ素ミルク事件や、カレーにヒ素を混入させた林真澄の事件などもあり、
悪いイメージを持っていることでしょう。
そうした話は、ヒジキにヒ素が含まれているという情報1つで、
消費者が敏感に反応してしまうような、
そうした土台を作ったように思う。
日本は、独自の食文化のみならず、
そうした事件や公害のおかげで、国民の関心が高いのでは?と感じる。
アメリカ人とは比較にもならない。
アメリカ人の、食への関心を高める因子というのは、
果たして過去にあったかな・・・?
そう考えると、それほどないように思う。
近年の肥満の問題やらがやっとこさ、、
重くなった腰を上げる役割を果たしているのでは。
アメリカにおいて、トランス脂肪酸の話が、
食への関心を高める因子になりはしないかなと思います。
トランス脂肪酸に対する日本人の関心というのは、
まだ生まれたばかりで、国民の高い関心の的になっているものの、
研究側の反応が比較的鈍い。
アメリカは、「国内の研究→公衆」という情報だったが、
日本では、「国外の研究→公衆→国内の研究」
という情報の流れがあるように思う。
落ち着くまで時間を要するのでは?
画像は次から。
http://www.breadbaskets.com/customerservice_spa.cfm
http://www.breadbaskets.com/index.cfm
なんかいろいろあるね。
昔、1人6000円くらいするフランス料理のお店で、
フライドポテト(French Fries)を食しましたが、
きちんとしたお店では、良質の揚げ油を使っていると信じて、
それほどの摂取にはならなかっただろうなと今は思っています。
フライドポテトやポテトチップスも、
ジャンクフード化してしまって迷惑だよね。
植物性コレステロールが豊富なポテトチップは、
脂質の吸収を妨げたりするそうです。
そうした改良も可能。
トランス脂肪酸 ? − 揚げ物は?
2007年11月6日 ●Boston●科学雑記
マーガリンというのは、決まった形で売っているものだし、ある一定の製造過程を経て生産されていると考えることができるために、比較的、定量化されたデータは信頼できます。
しかし、揚げ物はどうでしょうか・・液体の植物油に熱を与えて衣に吸わせるのですが、その過程で、植物由来の油が変性してしまったら・・?ミルクや卵に熱を加えたらたんぱく質が固化するように。トランス脂肪酸が生成されてしまうのでは・・という懸念が生まれるところなのです。
その定量を行った研究があります。
ヒトの研究でもないのに医学雑誌へ掲載されたもので、
どれほど重要で意義のある結果なのかを示唆しています。
content.nejm.org/cgi/content/short/354/15/1650
この論文では、
欧米のマクドナルドとケンタッキーのフライドポテトのチキンに
どれほどのトランス脂肪酸が含まれているかを測定しています。
トランス脂肪酸の摂取量は、
1800 kcalを摂取する人であれば、
18 kcal分に相当する量未満に抑えたいところ。
脂質1g=9 kcalなので、
約2g未満にしたいと考えられます。
フライドポテト(F)は171 gがサーブされる大体の量、
チキンについて(C)は160 gがサーブされる大体の量らしいのですが、
単位をグラムとして、
マクドナルド
F C 場所
6 4 New York, US
4 3 Glasgow, UK
3 2 France, Italy, Sweden, Spain, Germany
ケンタッキー
F C 場所
12 12 ハンガリー
4 2 New York
2 2 France、UK
こうしてみると、ポテトとチキンを食べれば
簡単に2gなど摂取できることがわかります。
たとえば、子どもがポテトとチキンでお腹にしたとなると、
とんでもない問題だと認識できるわけです。脂質の摂取が本当にまずい。
また小学生低学年以下の子どもとなると、脳の発達のために、
良質の脂質が重要になっていると考えられるために、
こうしたFast Foodに手を出すとなると、とんでもないことと考えられるわけです。
ところで、ポテトとチキンを比較すると、
ケンタッキーの場合は、チキンに含まれるトランス脂肪酸の量が、
マックの場合には、ポテトに含まれるトランス脂肪酸の量が
相対的に多いことがわかります。
これについては、量産しているということが、
トランス脂肪酸の含有量に貢献しているのでは・・・と考えています。
にしても、場所にばらつきがありますね。
おそらく忙しい店舗などは、質に問題が生まれるのかな・・?
と思います。
業務用の植物油には、トランス脂肪酸の含有量が
どうやら多いようなのですが、
やはり量産するために、常に油を高温に保っているところに
問題があるのでは・・・と思っています。
家庭の場合のことを考えると、
揚げ油の再利用について、大丈夫かな・・・という印象を持ちます。
ネットを少し覗いてみると、
濾過した後に冷暗所に保存して・・というのが通説のようですが、
本当に大丈夫なのでしょうか。
油を酸化させないように・・というようなことが述べられていますが、
トランス脂肪酸が生成される過程は、酸化反応ではありません。
異性化反応(性別のことはない)と呼ばれる、ただの構造変化で、
加熱のみで起こることも考えられます。。
(おそらく。冷暗所に保存というのは、関係有るかも。)
ショートニングなどは、いささか人工的な味がして、
トランス脂肪酸が多いような印象を持ちますが、
劣化した油というのは、どれほど揚げ物の味覚に影響を与えるのでしょうか。
こうしたことも含め、
科学的な研究をしても良いでしょうね。
画像はマックのCMから・・
ターゲットを子どもではなく若者に変えていることが知られています。
少子化にそった戦略の様子。
・・・
ファーストフードは止めてほしいよ・・
しかし、揚げ物はどうでしょうか・・液体の植物油に熱を与えて衣に吸わせるのですが、その過程で、植物由来の油が変性してしまったら・・?ミルクや卵に熱を加えたらたんぱく質が固化するように。トランス脂肪酸が生成されてしまうのでは・・という懸念が生まれるところなのです。
その定量を行った研究があります。
ヒトの研究でもないのに医学雑誌へ掲載されたもので、
どれほど重要で意義のある結果なのかを示唆しています。
content.nejm.org/cgi/content/short/354/15/1650
この論文では、
欧米のマクドナルドとケンタッキーのフライドポテトのチキンに
どれほどのトランス脂肪酸が含まれているかを測定しています。
トランス脂肪酸の摂取量は、
1800 kcalを摂取する人であれば、
18 kcal分に相当する量未満に抑えたいところ。
脂質1g=9 kcalなので、
約2g未満にしたいと考えられます。
フライドポテト(F)は171 gがサーブされる大体の量、
チキンについて(C)は160 gがサーブされる大体の量らしいのですが、
単位をグラムとして、
マクドナルド
F C 場所
6 4 New York, US
4 3 Glasgow, UK
3 2 France, Italy, Sweden, Spain, Germany
ケンタッキー
F C 場所
12 12 ハンガリー
4 2 New York
2 2 France、UK
こうしてみると、ポテトとチキンを食べれば
簡単に2gなど摂取できることがわかります。
たとえば、子どもがポテトとチキンでお腹にしたとなると、
とんでもない問題だと認識できるわけです。脂質の摂取が本当にまずい。
また小学生低学年以下の子どもとなると、脳の発達のために、
良質の脂質が重要になっていると考えられるために、
こうしたFast Foodに手を出すとなると、とんでもないことと考えられるわけです。
ところで、ポテトとチキンを比較すると、
ケンタッキーの場合は、チキンに含まれるトランス脂肪酸の量が、
マックの場合には、ポテトに含まれるトランス脂肪酸の量が
相対的に多いことがわかります。
これについては、量産しているということが、
トランス脂肪酸の含有量に貢献しているのでは・・・と考えています。
にしても、場所にばらつきがありますね。
おそらく忙しい店舗などは、質に問題が生まれるのかな・・?
と思います。
業務用の植物油には、トランス脂肪酸の含有量が
どうやら多いようなのですが、
やはり量産するために、常に油を高温に保っているところに
問題があるのでは・・・と思っています。
家庭の場合のことを考えると、
揚げ油の再利用について、大丈夫かな・・・という印象を持ちます。
ネットを少し覗いてみると、
濾過した後に冷暗所に保存して・・というのが通説のようですが、
本当に大丈夫なのでしょうか。
油を酸化させないように・・というようなことが述べられていますが、
トランス脂肪酸が生成される過程は、酸化反応ではありません。
異性化反応(性別のことはない)と呼ばれる、ただの構造変化で、
加熱のみで起こることも考えられます。。
(おそらく。冷暗所に保存というのは、関係有るかも。)
ショートニングなどは、いささか人工的な味がして、
トランス脂肪酸が多いような印象を持ちますが、
劣化した油というのは、どれほど揚げ物の味覚に影響を与えるのでしょうか。
こうしたことも含め、
科学的な研究をしても良いでしょうね。
画像はマックのCMから・・
ターゲットを子どもではなく若者に変えていることが知られています。
少子化にそった戦略の様子。
・・・
ファーストフードは止めてほしいよ・・
トランス脂肪酸 ? − 含有量表示と科学の限界
2007年11月4日 ●Boston●科学雑記
2点・・・。
よくトランス脂肪酸フリーという標記があるが、
実際にゼロというのはありえません。
その理由は、
1)食品中に含まれる量を測定した場合、
検出できる限界がわりと高く、
含まれているとしてもゼロと考えられてしまうこと。
2)自然に発生するものもあるから。
まず、
1については、
Analytical Chemistryという、
分析化学の世界からのご意見で印象に残ったもの。
測定限界というのが、分析においては存在し、
これ以上低い濃度は測定できませんよ・・というものです。
基本的に、食物内のある栄養素の含有量を測る際には、
100 gの試料を用意して測定したりするのだが、
その試料に含有量がある一定の量を下回ると、機械でも測れないものとなる。
そうした場合、含有量はゼロと考えられ、
トランス脂肪酸フリーということがいえるのだ。
だが、もし100 g以上食べるのが常の商品の場合は・・?
たとえば、フライドポテトやピザ、マフィン、その他菓子パンなど、
一日に総合すると、けっこうな量を食べてしまう人もいることと思います。
そうしたケースを考えると、測定限界以下の含有量だとしても、
かなりの量を摂取することになってしまいます。
これはデータベースについてもいえることで、
ゼロでないのに、ゼロとカウントされている食べ物が多く、
実際の摂取量というのは、推定された量よりも多いだろうと言えます。
試料の量を増やせば、測定機器にかけられる量も増すので
そうすれば良いだけだと思うのだけれど、
含有量の測定というのは、かなり細かに方法が決まっているため
そうもいかない様子。
トランス脂肪酸については例外的にでも、
たくさんの試料を測定対象にするべきだと個人的には思っています。
また・・・
フライドポテトに含まれるトランス脂肪酸の量を測定したい場合、
ポテトの体積を揚げ油と比較して相対的に多くすると、
当然、トランス脂肪酸の、たとえば100 gあたりの含有量を少なくなります。
そうした操作は本当にコントロールされているのでしょうか・・
抜き打ちの測定も行政はやっていただきたいところです。
要約すると、
トランス脂肪酸フリーといったところで、
それは真の意味でフリーか・・というとそんなことはないのです。
2つめ・・
バーガリンのページにも書いてあったけれども、
トランス脂肪酸にも、良いものはあると考えられている。
反芻動物(胃を複数持っている動物)は、
www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_hyakka/42/mini42.html
脂質が胃の中で代謝されることで、異常なものに変質します。
その中で生まれると考えられているのが、
共役不飽和脂肪酸と呼ばれるもので、トランス脂肪酸の一種と考えられています。
疫学的な発見というのは、自分の知る限り、いまだ存在していません。
しかし、免疫機能等を中心に、身体に良いのでは・・?と考えられています。
細胞実験・動物実験や小規模のヒト試験からの知見です。
反芻動物にはそうした脂質が存在するため、
牛乳・牛肉などの製品には、そうしたトランス脂肪酸が自然に含まれるのです。
果たして、悪者にしてよいのか・・?規制対象にできるのか・・?
そうした問題は議論されるべきでしょう。
その懸念を記述したNew York Timesの記事。
http://www.nytimes.com/2007/03/07/dining/07tran.html
従って、当然ながら存在してしまうトランス脂肪酸もあり、
しかもそうしたトランス脂肪酸の中には、
身体に害を及ぼさないものもあるかもしれない・・
ということがいえるのです。
そうしたところは、科学的な知見が得られていないところであり、
今後も研究とその成果の食品業界や公衆への展開が必要とされるということです。
ちなみに、
New York Cityが使用を制限しているのは、
人工に、加工中に生産したトランス脂肪酸(Artificial Trans Fat)を含む油などにあたり、
牛乳やバターなどの製品に、自然に含まれてしまったトランス脂肪酸は対象にしていません・・・
もちろん、その含有量をコントロールすることはできるでしょうけれど、
自然に含まれるものなので、それをコントロールするかは、議論の余地があるのです。
科学的に未知なところはあるということですね。
消費者に伝えることというと・・・
・フリーと書いてあってもフリーでないことはあるけれども、
・少ないことには違いないですし、脂質の摂取に貢献するので
・節度を守って摂取してください。
という3点でしょうか・・・。
画像は、規制のニュースのページから。
http://www.msnbc.msn.com/id/16051436/
ぱくりです・・・
まだ書くことあったかな・・?
よくトランス脂肪酸フリーという標記があるが、
実際にゼロというのはありえません。
その理由は、
1)食品中に含まれる量を測定した場合、
検出できる限界がわりと高く、
含まれているとしてもゼロと考えられてしまうこと。
2)自然に発生するものもあるから。
まず、
1については、
Analytical Chemistryという、
分析化学の世界からのご意見で印象に残ったもの。
測定限界というのが、分析においては存在し、
これ以上低い濃度は測定できませんよ・・というものです。
基本的に、食物内のある栄養素の含有量を測る際には、
100 gの試料を用意して測定したりするのだが、
その試料に含有量がある一定の量を下回ると、機械でも測れないものとなる。
そうした場合、含有量はゼロと考えられ、
トランス脂肪酸フリーということがいえるのだ。
だが、もし100 g以上食べるのが常の商品の場合は・・?
たとえば、フライドポテトやピザ、マフィン、その他菓子パンなど、
一日に総合すると、けっこうな量を食べてしまう人もいることと思います。
そうしたケースを考えると、測定限界以下の含有量だとしても、
かなりの量を摂取することになってしまいます。
これはデータベースについてもいえることで、
ゼロでないのに、ゼロとカウントされている食べ物が多く、
実際の摂取量というのは、推定された量よりも多いだろうと言えます。
試料の量を増やせば、測定機器にかけられる量も増すので
そうすれば良いだけだと思うのだけれど、
含有量の測定というのは、かなり細かに方法が決まっているため
そうもいかない様子。
トランス脂肪酸については例外的にでも、
たくさんの試料を測定対象にするべきだと個人的には思っています。
また・・・
フライドポテトに含まれるトランス脂肪酸の量を測定したい場合、
ポテトの体積を揚げ油と比較して相対的に多くすると、
当然、トランス脂肪酸の、たとえば100 gあたりの含有量を少なくなります。
そうした操作は本当にコントロールされているのでしょうか・・
抜き打ちの測定も行政はやっていただきたいところです。
要約すると、
トランス脂肪酸フリーといったところで、
それは真の意味でフリーか・・というとそんなことはないのです。
2つめ・・
バーガリンのページにも書いてあったけれども、
トランス脂肪酸にも、良いものはあると考えられている。
反芻動物(胃を複数持っている動物)は、
www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_hyakka/42/mini42.html
脂質が胃の中で代謝されることで、異常なものに変質します。
その中で生まれると考えられているのが、
共役不飽和脂肪酸と呼ばれるもので、トランス脂肪酸の一種と考えられています。
疫学的な発見というのは、自分の知る限り、いまだ存在していません。
しかし、免疫機能等を中心に、身体に良いのでは・・?と考えられています。
細胞実験・動物実験や小規模のヒト試験からの知見です。
反芻動物にはそうした脂質が存在するため、
牛乳・牛肉などの製品には、そうしたトランス脂肪酸が自然に含まれるのです。
果たして、悪者にしてよいのか・・?規制対象にできるのか・・?
そうした問題は議論されるべきでしょう。
その懸念を記述したNew York Timesの記事。
http://www.nytimes.com/2007/03/07/dining/07tran.html
従って、当然ながら存在してしまうトランス脂肪酸もあり、
しかもそうしたトランス脂肪酸の中には、
身体に害を及ぼさないものもあるかもしれない・・
ということがいえるのです。
そうしたところは、科学的な知見が得られていないところであり、
今後も研究とその成果の食品業界や公衆への展開が必要とされるということです。
ちなみに、
New York Cityが使用を制限しているのは、
人工に、加工中に生産したトランス脂肪酸(Artificial Trans Fat)を含む油などにあたり、
牛乳やバターなどの製品に、自然に含まれてしまったトランス脂肪酸は対象にしていません・・・
もちろん、その含有量をコントロールすることはできるでしょうけれど、
自然に含まれるものなので、それをコントロールするかは、議論の余地があるのです。
科学的に未知なところはあるということですね。
消費者に伝えることというと・・・
・フリーと書いてあってもフリーでないことはあるけれども、
・少ないことには違いないですし、脂質の摂取に貢献するので
・節度を守って摂取してください。
という3点でしょうか・・・。
画像は、規制のニュースのページから。
http://www.msnbc.msn.com/id/16051436/
ぱくりです・・・
まだ書くことあったかな・・?
トランス脂肪酸 ? − マーガリン
2007年11月3日 ●Boston●科学雑記
マーガリンについていろいろ話はありますけれど、特定の種の脂肪酸などの含有量が低い種の植物を用いればトランス脂肪酸は少なくなります。
たとえば、リノレン酸と呼ばれる脂肪酸は、加工中にトランス脂肪酸に変化しやすいのですが、そういったある種の脂肪酸を生成しにくい植物を選んでいこうというアプローチがあります。
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2006/060331.htm
たとえば、大豆業界の変遷。アメリカ農務省のニュース。
遺伝子組み換えの議論もあります。
トランス脂肪酸の生成しにくい種を開発しようと。
でも、植物性脂はそれだけでは身体に良いところもあるので、
あまり科学技術で変化させるのはちょっと・・・というのが
個人的な意見です。
マーガリン・・トランス脂肪酸への懸念の因子ですが、
ドイツだったか、飽食の時代に上昇する心不全の生活環境要因を探る研究がなされたところ、
80年かそこら、たばこや動物性脂肪といっしょに
マーガリンが強力な因子であることが認められたのです。
(動物実験とともに追試され。)
ヨーロッパの政策が先行しているのはそのためかと。
(食品業界の圧力がアメリカに比べ低いこともあるかも。)
悪役になったマーガリン・・
現代では、加工している間に、飽和度をきちんとコントロールすれば
含有量も低くなるのでやはりそうしたことは消費者も関心をもってもよいと思います。
もともと悪役にされたマーガリンは、
「水素添加」という化学反応を、植物性脂に施して行ったものでした。
これは液状の脂に金属触媒を用いた化学・・いささか工学的なのです。
そうした強引な方法により、固化させるとトランス脂肪酸が生成されます。
強引な反応の副産物といえるでしょう。
マーガリンがプラスチックだと評されることがありますが、
そうした加工工程がいささか工学的なところがあるのも要因かと。
しかし、今ではいろいろな方法で固化できることが知られています。
たとえば
1)植物油と動物油を混ぜて、固化したものも出回ったりしており、
この場合は、トランス脂肪酸が新たに発生することはありません。
ja.wikipedia.org/wiki/マーガリン
ここでも、植物性脂、動物性脂が混ぜられたものという標記がありますね。
2)また乳化剤を添加することによって固化させることもできます。
(ミルクティーにレモンを加えるとミルクが固化する。
これはたんぱく質の凝固ですが・・イメージとしてはそんな感じ)
そうした強引でない自然な反応を施すもの。
マーガリンの生成。
種々あるわけで、それが含有量に影響するわけです。
マーガリンというのは真珠(ギリシャ語でMargarite)という意味で、
テカテカしてればマーガリンなわけで、成分とはなんの関係もありません。
バーガリン。
http://www.burgarine.com/
乳化剤を加えるというところで、トランス脂肪酸の生成を抑えている様子。
これはレシチンという大豆由来の脂質を追加することで固化を促している様子。
レシチンというのは、リン酸脂質の一種。けっこう重みのある脂肪。
このページを見る限り、今知られていることはおさえているように思います。
ちょっと乱暴な論調のページで好印象は抱けませんな。
でも大体、同意・・・
「水素添加でない・・」と主張していますが、
自分の言っていることと同じこと。
マーガリンの合成方法は、
高校3年生であれば理解できる化学のような気がする。
ある論文を読むと
日本のマーガリンのトランス脂肪酸の量は
アメリカのそれに比べて低いことが知られています。
そういったことも踏まえて、前評価にとらわれない研究が必要でしょう。
そしてその際には、てんぷら、ポテトチップなどの研究も並行して・・
農薬などと違って、トンラス脂肪酸は含まれてしまったもの。
マーガリン業界を悪役にするのはもちろん間違っているように思います。
また、マーガリンを通じて、人の関心が増してくれればいいな〜なんて。
画像は、自分が購入しているマーガリン。
大豆油由来で、Trans-fat Freeをうたっておる。
http://www.earthbalance.net/product.html
トランス脂肪酸の表示や、その他議論に関しては次回。
たとえば、リノレン酸と呼ばれる脂肪酸は、加工中にトランス脂肪酸に変化しやすいのですが、そういったある種の脂肪酸を生成しにくい植物を選んでいこうというアプローチがあります。
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2006/060331.htm
たとえば、大豆業界の変遷。アメリカ農務省のニュース。
遺伝子組み換えの議論もあります。
トランス脂肪酸の生成しにくい種を開発しようと。
でも、植物性脂はそれだけでは身体に良いところもあるので、
あまり科学技術で変化させるのはちょっと・・・というのが
個人的な意見です。
マーガリン・・トランス脂肪酸への懸念の因子ですが、
ドイツだったか、飽食の時代に上昇する心不全の生活環境要因を探る研究がなされたところ、
80年かそこら、たばこや動物性脂肪といっしょに
マーガリンが強力な因子であることが認められたのです。
(動物実験とともに追試され。)
ヨーロッパの政策が先行しているのはそのためかと。
(食品業界の圧力がアメリカに比べ低いこともあるかも。)
悪役になったマーガリン・・
現代では、加工している間に、飽和度をきちんとコントロールすれば
含有量も低くなるのでやはりそうしたことは消費者も関心をもってもよいと思います。
もともと悪役にされたマーガリンは、
「水素添加」という化学反応を、植物性脂に施して行ったものでした。
これは液状の脂に金属触媒を用いた化学・・いささか工学的なのです。
そうした強引な方法により、固化させるとトランス脂肪酸が生成されます。
強引な反応の副産物といえるでしょう。
マーガリンがプラスチックだと評されることがありますが、
そうした加工工程がいささか工学的なところがあるのも要因かと。
しかし、今ではいろいろな方法で固化できることが知られています。
たとえば
1)植物油と動物油を混ぜて、固化したものも出回ったりしており、
この場合は、トランス脂肪酸が新たに発生することはありません。
ja.wikipedia.org/wiki/マーガリン
ここでも、植物性脂、動物性脂が混ぜられたものという標記がありますね。
2)また乳化剤を添加することによって固化させることもできます。
(ミルクティーにレモンを加えるとミルクが固化する。
これはたんぱく質の凝固ですが・・イメージとしてはそんな感じ)
そうした強引でない自然な反応を施すもの。
マーガリンの生成。
種々あるわけで、それが含有量に影響するわけです。
マーガリンというのは真珠(ギリシャ語でMargarite)という意味で、
テカテカしてればマーガリンなわけで、成分とはなんの関係もありません。
バーガリン。
http://www.burgarine.com/
乳化剤を加えるというところで、トランス脂肪酸の生成を抑えている様子。
これはレシチンという大豆由来の脂質を追加することで固化を促している様子。
レシチンというのは、リン酸脂質の一種。けっこう重みのある脂肪。
このページを見る限り、今知られていることはおさえているように思います。
ちょっと乱暴な論調のページで好印象は抱けませんな。
でも大体、同意・・・
「水素添加でない・・」と主張していますが、
自分の言っていることと同じこと。
マーガリンの合成方法は、
高校3年生であれば理解できる化学のような気がする。
ある論文を読むと
日本のマーガリンのトランス脂肪酸の量は
アメリカのそれに比べて低いことが知られています。
そういったことも踏まえて、前評価にとらわれない研究が必要でしょう。
そしてその際には、てんぷら、ポテトチップなどの研究も並行して・・
農薬などと違って、トンラス脂肪酸は含まれてしまったもの。
マーガリン業界を悪役にするのはもちろん間違っているように思います。
また、マーガリンを通じて、人の関心が増してくれればいいな〜なんて。
画像は、自分が購入しているマーガリン。
大豆油由来で、Trans-fat Freeをうたっておる。
http://www.earthbalance.net/product.html
トランス脂肪酸の表示や、その他議論に関しては次回。
トランス脂肪酸 ? − 日本人の摂取
2007年11月2日 ●Boston●科学雑記
食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/
54kai-factsheets-trans.pdf
(繋げてください、もしも興味があれば・・。)
食品に含まれている量も記されていますが、
サンプルの数が少なすぎるのでは・・・?
あの多様なお菓子業界のことを考えると・・
日本については、
ファーストフードでの摂取はもちろん重要ですが、
乳製品でも重要ですし、
植物油を用いるてんぷらなど揚げ物でも不安があります。
油をろ過して何度もリサイクルしても大丈夫なのか・・・など。
アメリカでの悪者はフライドポテトなどなどなので、
そこはもちろん考慮すべきなのですが。
日本人は、平均で1.56 g(エネルギー換算で0.7%)の
トランス脂肪酸から摂取していると記されていますが、
これは食品の生産量からの推定です。
従って、信頼できるものではありませんし、
油の幅広い用途から考えると、捉えられていない摂取量は間違いなくあるでしょう。
というわけで、1.56 gは簡単に摂取していると考えられます。
ポテトチップやビスケットならすぐに越えるでしょうね。
自分の興味のあるところは、
揚げ物の摂取の貢献、飲み屋での摂取など・・・データにしづらい場面。
特にお酒を覚えてからの世代は、余計な摂取の機会が多いのでは。。。と思います。
お酒を覚える前の世代は、Fastfoodやポテトチップなどの摂取が懸念対象。
Guidelineの規準となる1%以上摂取している人はかなり多いでしょう。
また子どもや妊婦がトランス脂肪酸を摂取したら・・・
という影響はまだ研究段階で答えが出ていませんが、
ポジティブには考えられません。
きっと捜せば、国民栄養調査のデータなどあるかと思いますが、
栄養調査によってジャンクフードの摂取が果たして定量で切るのか疑問のところです。
一時は、3日間、記録をつけるというような方法をとっていた調査ですが・・・
そうした期間で、ボランティアで調査に参加している人が、
果たしてトランス脂肪酸摂取に貢献する食べ物をきちんと記録しているのか・・・
また、そうしたボランティアの人たちが、
本当に国民の平均値(&ばらつき)を導くのに、
ふさわしい人たちなのか、、、疑問に絶えません。
ということで、要約すると、
日本人のデータは自分の知る限り限られたものしかなく、
ジャンクなものを摂取すると、簡単にトランス脂肪酸の摂取量は
多くなってしまいますよ・・・ということは言えるのです。
てんぷらがどれほど脂肪の摂取に貢献しているか・・
など、定量が難しいのはわかるかと思います。
きちんと年齢層にわけて、
様々な人たちをサンプルして定量化していかなくては
真の情報は与えられないことでしょう。
以下、厚生労働省より・・・
日本人の食事摂取規準(2005年版)というのから・・
摂取量の測定が困難なため、今回の検討項目としなかった。欧米諸国の研究で、トランス型脂肪酸摂取量の増加は虚血性心疾患のリスクを高めるとの報告があるが、日本人での摂取量や、各摂取レベルにおける安全性については未知である。
だそうです。
同意。
画像はトランス脂肪酸。
分子の曲がり方で、名前が変わるという・・
オレイン酸とエラジン酸(エラジンでいいのかな・・?)
マーガリンなどの考察に続きます。
http://www.fsc.go.jp/sonota/
54kai-factsheets-trans.pdf
(繋げてください、もしも興味があれば・・。)
食品に含まれている量も記されていますが、
サンプルの数が少なすぎるのでは・・・?
あの多様なお菓子業界のことを考えると・・
日本については、
ファーストフードでの摂取はもちろん重要ですが、
乳製品でも重要ですし、
植物油を用いるてんぷらなど揚げ物でも不安があります。
油をろ過して何度もリサイクルしても大丈夫なのか・・・など。
アメリカでの悪者はフライドポテトなどなどなので、
そこはもちろん考慮すべきなのですが。
日本人は、平均で1.56 g(エネルギー換算で0.7%)の
トランス脂肪酸から摂取していると記されていますが、
これは食品の生産量からの推定です。
従って、信頼できるものではありませんし、
油の幅広い用途から考えると、捉えられていない摂取量は間違いなくあるでしょう。
というわけで、1.56 gは簡単に摂取していると考えられます。
ポテトチップやビスケットならすぐに越えるでしょうね。
自分の興味のあるところは、
揚げ物の摂取の貢献、飲み屋での摂取など・・・データにしづらい場面。
特にお酒を覚えてからの世代は、余計な摂取の機会が多いのでは。。。と思います。
お酒を覚える前の世代は、Fastfoodやポテトチップなどの摂取が懸念対象。
Guidelineの規準となる1%以上摂取している人はかなり多いでしょう。
また子どもや妊婦がトランス脂肪酸を摂取したら・・・
という影響はまだ研究段階で答えが出ていませんが、
ポジティブには考えられません。
きっと捜せば、国民栄養調査のデータなどあるかと思いますが、
栄養調査によってジャンクフードの摂取が果たして定量で切るのか疑問のところです。
一時は、3日間、記録をつけるというような方法をとっていた調査ですが・・・
そうした期間で、ボランティアで調査に参加している人が、
果たしてトランス脂肪酸摂取に貢献する食べ物をきちんと記録しているのか・・・
また、そうしたボランティアの人たちが、
本当に国民の平均値(&ばらつき)を導くのに、
ふさわしい人たちなのか、、、疑問に絶えません。
ということで、要約すると、
日本人のデータは自分の知る限り限られたものしかなく、
ジャンクなものを摂取すると、簡単にトランス脂肪酸の摂取量は
多くなってしまいますよ・・・ということは言えるのです。
てんぷらがどれほど脂肪の摂取に貢献しているか・・
など、定量が難しいのはわかるかと思います。
きちんと年齢層にわけて、
様々な人たちをサンプルして定量化していかなくては
真の情報は与えられないことでしょう。
以下、厚生労働省より・・・
日本人の食事摂取規準(2005年版)というのから・・
摂取量の測定が困難なため、今回の検討項目としなかった。欧米諸国の研究で、トランス型脂肪酸摂取量の増加は虚血性心疾患のリスクを高めるとの報告があるが、日本人での摂取量や、各摂取レベルにおける安全性については未知である。
だそうです。
同意。
画像はトランス脂肪酸。
分子の曲がり方で、名前が変わるという・・
オレイン酸とエラジン酸(エラジンでいいのかな・・?)
マーガリンなどの考察に続きます。
トランス脂肪酸 ? − 身体への影響
2007年11月1日 ●Boston●科学雑記
トランス脂肪酸
http://diarynote.jp/d/85527/20060105.html
http://diarynote.jp/d/85527/20060320.html
http://diarynote.jp/d/85527/20061206.html ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070702.html ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070708.html
Site内検索で呼び出してみました。
いろいろ書いているな。
NY Cityの政策は有名・・
そのドキュメントはこちら。
http://www.nyc.gov/html/doh/html/cardio/cardio-transfat.shtml
有名な医学雑誌にも政策についてはReviewされています。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2017
トランス脂肪酸を除いたところで、味は変わらないそう。
トランス脂肪酸のヒトを対象にした研究は、50年代からあるものの、
公衆衛生として注目されてきたのは、90年代からのように思う。
(50年代にマーガリンの研究が日本で行われています。)
小さな研究から大規模な疫学まで
医学論文には大小たくさんの研究があります。
New England Journal of Medicineに総説が2006年に出まして、
アメリカにおいて、トランス脂肪酸の摂取半分を、
健康的なものとして言われている不飽和脂肪酸に置き換えたら、
もっとも確からしい数字で12%ほどの循環器系疾患が予防できるそうです。
もしもトランス脂肪酸をほとんど不飽和脂肪酸に変えたら、20%強の疾患を予防できます。
不飽和脂肪酸でなく、エネルギーの摂取の程度を考えて
穀物に置き換えてもほぼ等しい変化が期待できます。
循環器系疾患に限って、そうした総説が出ています。
循環器系疾患はどの国でも死因のトップクラスなので
この数字はとても意義のあることです。
http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/15/1601
先日、ビタミンDの話のときに書いたけれど、
この医療が発達した世の中では、患者が増えすぎる傾向にあるので、
予防はとっても重要なために、こうした数字はとても重要・・・
アメリカでは30,000,000人以上の人が循環器系の疾患を患っています。
(医療の発展とベビーブーム世代の高齢化)
身体に良い脂肪に取り替えたら、20%が減少するという数字は
ほんとか・・・?と思うものの、無視はできません。
またファーストフード業界は、どんなテクノロジーよりも早く
中堅の発展途上国に上陸しているために、
そういった国でも、摂取について問題視されています。
野菜や果物の普及よりも先に、悪しき食べ物が・・・という構図。
http://intl.emboj.org/ejcn/journal/v61/n8/full/1602608a.html
こちらはイランの研究・・
(その他イスラム国家でもアメリカの産業が受け入れられている。
食欲は宗教を越えるのだ。)
総説とはいかなくとも、
かなり質の高い研究で、脳卒中や不妊の研究もあるために、
できる限りゼロにするということは公衆衛生上重要でしょう。
また他の栄養素と違って、
極限にまでゼロにしても構わない成分なのでやはり努力すべきです。
日本ではどうでしょうか。
自分の知る限り、大規模な研究はなく、
推測で議論されている段階なので、結論は出せないというところでしょう。
しかし、糖尿病や脳卒中といった循環器系疾患(脳卒中はそのもの)とも相関の強い疾患が
日本を代表する類になるので、要注意と思っています。
日本のデータに関する考察は、別途書こうかなと。。
http://diarynote.jp/d/85527/20060105.html
http://diarynote.jp/d/85527/20060320.html
http://diarynote.jp/d/85527/20061206.html ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070702.html ?
http://diarynote.jp/d/85527/20070708.html
Site内検索で呼び出してみました。
いろいろ書いているな。
NY Cityの政策は有名・・
そのドキュメントはこちら。
http://www.nyc.gov/html/doh/html/cardio/cardio-transfat.shtml
有名な医学雑誌にも政策についてはReviewされています。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2017
トランス脂肪酸を除いたところで、味は変わらないそう。
トランス脂肪酸のヒトを対象にした研究は、50年代からあるものの、
公衆衛生として注目されてきたのは、90年代からのように思う。
(50年代にマーガリンの研究が日本で行われています。)
小さな研究から大規模な疫学まで
医学論文には大小たくさんの研究があります。
New England Journal of Medicineに総説が2006年に出まして、
アメリカにおいて、トランス脂肪酸の摂取半分を、
健康的なものとして言われている不飽和脂肪酸に置き換えたら、
もっとも確からしい数字で12%ほどの循環器系疾患が予防できるそうです。
もしもトランス脂肪酸をほとんど不飽和脂肪酸に変えたら、20%強の疾患を予防できます。
不飽和脂肪酸でなく、エネルギーの摂取の程度を考えて
穀物に置き換えてもほぼ等しい変化が期待できます。
循環器系疾患に限って、そうした総説が出ています。
循環器系疾患はどの国でも死因のトップクラスなので
この数字はとても意義のあることです。
http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/15/1601
先日、ビタミンDの話のときに書いたけれど、
この医療が発達した世の中では、患者が増えすぎる傾向にあるので、
予防はとっても重要なために、こうした数字はとても重要・・・
アメリカでは30,000,000人以上の人が循環器系の疾患を患っています。
(医療の発展とベビーブーム世代の高齢化)
身体に良い脂肪に取り替えたら、20%が減少するという数字は
ほんとか・・・?と思うものの、無視はできません。
またファーストフード業界は、どんなテクノロジーよりも早く
中堅の発展途上国に上陸しているために、
そういった国でも、摂取について問題視されています。
野菜や果物の普及よりも先に、悪しき食べ物が・・・という構図。
http://intl.emboj.org/ejcn/journal/v61/n8/full/1602608a.html
こちらはイランの研究・・
(その他イスラム国家でもアメリカの産業が受け入れられている。
食欲は宗教を越えるのだ。)
総説とはいかなくとも、
かなり質の高い研究で、脳卒中や不妊の研究もあるために、
できる限りゼロにするということは公衆衛生上重要でしょう。
また他の栄養素と違って、
極限にまでゼロにしても構わない成分なのでやはり努力すべきです。
日本ではどうでしょうか。
自分の知る限り、大規模な研究はなく、
推測で議論されている段階なので、結論は出せないというところでしょう。
しかし、糖尿病や脳卒中といった循環器系疾患(脳卒中はそのもの)とも相関の強い疾患が
日本を代表する類になるので、要注意と思っています。
日本のデータに関する考察は、別途書こうかなと。。
トランス脂肪酸 ? − マーガリン協会
2007年7月2日 ●Boston●科学雑記
最近、ネットのニュースで、
NYのトランス脂肪酸の政策が紹介されている。
http://cityroom.blogs.nytimes.com/2007/06/29/trans-fats-waning-but-can-city-claim-credit/
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&;;;;k=2007070200233
こうしたニュースは初めてではなく、NY市は、段階的な政策を図っている。
・勧告
・実施
・罰則無しの監査
・罰則ありの監査
というような形で。今はどの段階だっけな。。。
この話は、自分の領域のPublicへの貢献の最近の良い例だと思うところがあり、拍手を送りたいと同時に、自分も波に乗らなければと思うところである。現在、頭に1つの案があるが。。。
脂肪酸というと、お肉や植物から摂取できるように普段の食生活では欠かせないもの。極端な話、足りなければ、肌の細胞は生成されないし、脳細胞はぶちぶちに切れるでしょう。
だた、的にされているトランス脂肪酸の、1つの特徴というのは、これは産業産物とも言えること。簡単な話、自然に存在する液状の強い脂肪酸(植物油)に、水素をぶち込んで固体(マーガリン)にする際にできるものである。だから、業界からの排除というのが世間へのContributionになるということ。
だが、「的にされていない」トランス脂肪酸も世の中には存在する。それが牛乳などの乳製品に含まれているものである。科学的に害になるとは立証されていないといってよい。
http://www.nytimes.com/2007/03/07/dining/07tran.html
このトランス脂肪案の論争の中で、脂肪摂取に貢献する乳製品の業界は、じっくり時間をかけて情報を公開してほしいと思うところです。
ところで、日本のマーガリンの協会はやはりSensitiveになっているよう。下記に興味深い文章がある。。。
http://www.j-margarine.com/newslist/index.html
新谷弘実(シンヤヒロミ)著「病気にならない生き方」という本が、トランス脂肪酸の見解を示しており、マーガリン協会がそれに関するコメントを記しているのだけど、協会の文面を見る限り、協会の言っている方が正しいと、自分は考えます。
ヘキサンという安定な分子から水素が添加されるとか言って、、、。そんなこと言っている本が公には出回っているのか。。。本の著者は有機化学を勉強せずに、有機化学を論じているよう。
マーガリン協会の話の展開というと、
「アメリカや欧米の国のデータではこういっている。
日本の摂取量を考えて、心配することではない。」
というところだが、トランス脂肪酸の日常の摂取の定量というのは難しく、それほど信頼できるわけではないので、欧米のデータを引用して、日本国民に安全を主張するのは少し無理がある。
だいたい、日本人の摂取量が正しく計測されているのか・・・?疑問である。。。それが明記されている論文は和文なわけで、手にできないが・・・
おそらく、日本人の平均のトランス脂肪酸の摂取量は少ないだろう。しかし、エネルギー比(eg 2000 Kcal分の何%がトランス脂肪酸からか?という量)を見るにしても炭水化物の量を考えなくてはいけないし、欧米との絶対摂取量をみるにしても、簡単な話、体格の違いを考慮しなくてはいけないし・・・。そうした議論の幅を考えると、マーガリン協会も誰も、結論を出す段階ではないと感じる。
自分は厚生労働省や国の機関の出す、栄養学のデータをおっているものの、脂肪の摂取に関する疫学データはあまり目にすることがないのが現状。脂肪酸の摂取量を正しく測定できないところが原因になっているのでは・・・。欧米との違い。
最後に、
一食品あたり0.5 gram以下に抑えなくてはいけないといわれているが、0.5以下であれば安全かというとそうではなく、0.5以下であると、機械で検出するのが難しいのである。これは、アメリカの化学の雑誌に明記されている。こうしたところでも、科学の難しさがあり、健康への影響というのが量りにくいことがわかるかと。
NYのトランス脂肪酸の政策が紹介されている。
http://cityroom.blogs.nytimes.com/2007/06/29/trans-fats-waning-but-can-city-claim-credit/
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&;;;;k=2007070200233
こうしたニュースは初めてではなく、NY市は、段階的な政策を図っている。
・勧告
・実施
・罰則無しの監査
・罰則ありの監査
というような形で。今はどの段階だっけな。。。
この話は、自分の領域のPublicへの貢献の最近の良い例だと思うところがあり、拍手を送りたいと同時に、自分も波に乗らなければと思うところである。現在、頭に1つの案があるが。。。
脂肪酸というと、お肉や植物から摂取できるように普段の食生活では欠かせないもの。極端な話、足りなければ、肌の細胞は生成されないし、脳細胞はぶちぶちに切れるでしょう。
だた、的にされているトランス脂肪酸の、1つの特徴というのは、これは産業産物とも言えること。簡単な話、自然に存在する液状の強い脂肪酸(植物油)に、水素をぶち込んで固体(マーガリン)にする際にできるものである。だから、業界からの排除というのが世間へのContributionになるということ。
だが、「的にされていない」トランス脂肪酸も世の中には存在する。それが牛乳などの乳製品に含まれているものである。科学的に害になるとは立証されていないといってよい。
http://www.nytimes.com/2007/03/07/dining/07tran.html
このトランス脂肪案の論争の中で、脂肪摂取に貢献する乳製品の業界は、じっくり時間をかけて情報を公開してほしいと思うところです。
ところで、日本のマーガリンの協会はやはりSensitiveになっているよう。下記に興味深い文章がある。。。
http://www.j-margarine.com/newslist/index.html
新谷弘実(シンヤヒロミ)著「病気にならない生き方」という本が、トランス脂肪酸の見解を示しており、マーガリン協会がそれに関するコメントを記しているのだけど、協会の文面を見る限り、協会の言っている方が正しいと、自分は考えます。
ヘキサンという安定な分子から水素が添加されるとか言って、、、。そんなこと言っている本が公には出回っているのか。。。本の著者は有機化学を勉強せずに、有機化学を論じているよう。
マーガリン協会の話の展開というと、
「アメリカや欧米の国のデータではこういっている。
日本の摂取量を考えて、心配することではない。」
というところだが、トランス脂肪酸の日常の摂取の定量というのは難しく、それほど信頼できるわけではないので、欧米のデータを引用して、日本国民に安全を主張するのは少し無理がある。
だいたい、日本人の摂取量が正しく計測されているのか・・・?疑問である。。。それが明記されている論文は和文なわけで、手にできないが・・・
おそらく、日本人の平均のトランス脂肪酸の摂取量は少ないだろう。しかし、エネルギー比(eg 2000 Kcal分の何%がトランス脂肪酸からか?という量)を見るにしても炭水化物の量を考えなくてはいけないし、欧米との絶対摂取量をみるにしても、簡単な話、体格の違いを考慮しなくてはいけないし・・・。そうした議論の幅を考えると、マーガリン協会も誰も、結論を出す段階ではないと感じる。
自分は厚生労働省や国の機関の出す、栄養学のデータをおっているものの、脂肪の摂取に関する疫学データはあまり目にすることがないのが現状。脂肪酸の摂取量を正しく測定できないところが原因になっているのでは・・・。欧米との違い。
最後に、
一食品あたり0.5 gram以下に抑えなくてはいけないといわれているが、0.5以下であれば安全かというとそうではなく、0.5以下であると、機械で検出するのが難しいのである。これは、アメリカの化学の雑誌に明記されている。こうしたところでも、科学の難しさがあり、健康への影響というのが量りにくいことがわかるかと。
コレステロール ? − 血中だけ調べればよいわけではなく。
2007年6月15日 ●Boston●科学雑記
以下のエントリーには
コレステロールについて触れています。
重複している情報もあり。
http://diarynote.jp/d/85527/20041206.html
栄養学の挑戦
http://diarynote.jp/d/85527/20070203.html
精神医学のプレゼン
http://diarynote.jp/d/85527/20050716.html
寒天のダイエット
http://diarynote.jp/d/85527/20041122.html
CoQ10
マウスの実験で、
http://www.asahi.com/health/news/OSK200706140052.html
この朝日新聞に書いてある一文に、「血中のコレステロールは関与しない」とある。これは最近の脳の疾患に関する疫学では重要なのでは?と感じる。すなわち、アルツハイマー病やパーキンソン病など。
以前、多発性硬化症(Multiple Sclerosis)の勉強をする機会を得たとき、その診断に、髄液の採取を要することがあることをしった。免疫細胞などの検査を行うのである。
で、脂質の科学では、髄液にも脂質が存在していることがわかっている。ほう・・・と思ったのだけど、今まで、Diarynoteに書いてきたコレステロールの話と、その髄液中の脂質というのは関係があるのではないの?と睨んでいる。
ja.wikipedia.org/wiki/脳脊髄液
ja.wikipedia.org/wiki/多発性硬化症
(要コピペ。学術論文を優先すべきですが・・・。)
ちなみに、髄液を採取するのはとても痛いらしく、その痛みに関する論文も多数存在する。その痛みと難しさから、血液検査に頼る研究と似たようなことはできない。髄液の組成というのが、病理との相関があるのであれば、一見の価値があるわけで、動物実験から入っていってもよい領域なのでは?と思うのです。小さな動物の髄液をどれほど採取できるのかは存じませんが。。。
(その痛みのために、MRIというスキャニングの技術が多発性硬化症の領域にもかなり応用されている。)
コレステロールと心理学・・・
少し違う医学的なアプローチでわかることもあるかも?
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/imagepages/9242.htm
髄液採取。痛いらしい。
コレステロールについて触れています。
重複している情報もあり。
http://diarynote.jp/d/85527/20041206.html
栄養学の挑戦
http://diarynote.jp/d/85527/20070203.html
精神医学のプレゼン
http://diarynote.jp/d/85527/20050716.html
寒天のダイエット
http://diarynote.jp/d/85527/20041122.html
CoQ10
マウスの実験で、
http://www.asahi.com/health/news/OSK200706140052.html
この朝日新聞に書いてある一文に、「血中のコレステロールは関与しない」とある。これは最近の脳の疾患に関する疫学では重要なのでは?と感じる。すなわち、アルツハイマー病やパーキンソン病など。
以前、多発性硬化症(Multiple Sclerosis)の勉強をする機会を得たとき、その診断に、髄液の採取を要することがあることをしった。免疫細胞などの検査を行うのである。
で、脂質の科学では、髄液にも脂質が存在していることがわかっている。ほう・・・と思ったのだけど、今まで、Diarynoteに書いてきたコレステロールの話と、その髄液中の脂質というのは関係があるのではないの?と睨んでいる。
ja.wikipedia.org/wiki/脳脊髄液
ja.wikipedia.org/wiki/多発性硬化症
(要コピペ。学術論文を優先すべきですが・・・。)
ちなみに、髄液を採取するのはとても痛いらしく、その痛みに関する論文も多数存在する。その痛みと難しさから、血液検査に頼る研究と似たようなことはできない。髄液の組成というのが、病理との相関があるのであれば、一見の価値があるわけで、動物実験から入っていってもよい領域なのでは?と思うのです。小さな動物の髄液をどれほど採取できるのかは存じませんが。。。
(その痛みのために、MRIというスキャニングの技術が多発性硬化症の領域にもかなり応用されている。)
コレステロールと心理学・・・
少し違う医学的なアプローチでわかることもあるかも?
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/imagepages/9242.htm
髄液採取。痛いらしい。
トランス脂肪酸 ? − 一般的なこと
2006年12月6日 ●Boston●科学雑記
http://www.asahi.com/health/news/TKY200612060215.html
脂肪といってもたくさんの種類がある。低脂肪とか高脂肪とかいう議論は、その脂肪の種類をすべて無視した議論のため無意味ともいえる。数多くの脂肪のうち、トランス脂肪酸というのがある。上記リンク先にはNYがトランス脂肪酸の使用を全面禁止するという制度を設けるというニュース。
トランス脂肪酸の食品の含有量はアメリカの場合、ほとんどの食品に表示が義務付けられており、店頭で確認できる。従って、消費者はtrans fatty acidsの含有量が低い食品を選ぶと良い。
トランス脂肪酸というのは、食品の加工段階、あるいは調理段階で生成されてしまったりする。もっとも有名なのが、ファーストフードの揚げ物で、質の悪い油にはトランス脂肪酸が多量に含まれている。NYのマクドナルドはそれで有名。
他の栄養素は食品に内在しているものなので、コントロールが難しい。しかし、トランス脂肪酸は人の手によって意図的でなくても作り出されるものなので、コントロールが比較的に簡単。ゼロにできるはずのものなのだ。身体にちょっとでも悪いものは控えられるべきである。農薬やBSE、遺伝子組み換え食品の危険性よりも、はるかに高い危険性が知られている。それなりの政策を検討すべきだ。日本人の知識の偏りが伺える件とも言える。
生成過程からわかるのだけど、NYの政策に困っているのはレストラン。メニューに影響が出るだけでなく、どう評価するのかが、消費者はどう判断するのかでもめている。正確な監査は入らないと思うので、おそらく自主規制ということになるだろう。ショートニングを利用するお菓子などには影響がでる。お菓子屋さんなどは注意して見てみると良いかも。
ボストンもそのうち処置に動き出すものでは・・・HarvardやTuftsの連中がトランス脂肪酸の研究を加速させてきたのだから。動き出してほしい。
トランス脂肪酸が多く含まれている食品の1つがマーガリン。バターとマーガリンどっちが身体に良いかというと、バターに旗が揚げられる。植物性油脂で作ったマーガリンの方が・・・と考えがちかもしれないが、液体状の脂を強引に固体状の脂に加工する際に、トランス脂肪酸が生成されることが知られている。従って、欧米ではマーガリンは危険視されている。植物性の油に由来する食品、特にそれをうたっている食品には注意しなくてはいけない。
では日本のマーガリンは身体に悪いのか?それが難しい。実は日本の製品の中には、動物性脂と植物性脂を混ぜて、マーガリンを作っている会社もある。100%植物性のマーガリンではないものがそれ。なんだか、いんちき臭い作り方のような印象を受けるが、それはそれ。化学的に考えるとおそらくバターや100%植物性のマーガリンよりも身体によいだろう。自分の知る限り日本ではあまり注目されていないので、心臓病や動脈硬化と脂質の関係を研究する研究室は参考にしてほしいものである。
ファーストフードのフライドチキンは害悪なのだけど、日本食と考えられている天ぷらも実は怪しいものだ。いったいどれだけ身体に悪いのか、、、示唆する研究はあるかと思うが、長期的な効果の評価はまだでは?おそらくたくさんの人から血液をサンプルするようなことをしないと評価できないだろう。あげものというのは、なにやらおいしそうに見えてしまうものである。野菜がごろごろとしているものよりも、衣をまとっているものの方がおいしい。手馴れた料理人はつい揚げてしまうかと。注意しなくてはいけないこと。
まとまりないけどおしまい。
www.klumanandbalter.com/ fats_oils.html
脂肪といってもたくさんの種類がある。低脂肪とか高脂肪とかいう議論は、その脂肪の種類をすべて無視した議論のため無意味ともいえる。数多くの脂肪のうち、トランス脂肪酸というのがある。上記リンク先にはNYがトランス脂肪酸の使用を全面禁止するという制度を設けるというニュース。
トランス脂肪酸の食品の含有量はアメリカの場合、ほとんどの食品に表示が義務付けられており、店頭で確認できる。従って、消費者はtrans fatty acidsの含有量が低い食品を選ぶと良い。
トランス脂肪酸というのは、食品の加工段階、あるいは調理段階で生成されてしまったりする。もっとも有名なのが、ファーストフードの揚げ物で、質の悪い油にはトランス脂肪酸が多量に含まれている。NYのマクドナルドはそれで有名。
他の栄養素は食品に内在しているものなので、コントロールが難しい。しかし、トランス脂肪酸は人の手によって意図的でなくても作り出されるものなので、コントロールが比較的に簡単。ゼロにできるはずのものなのだ。身体にちょっとでも悪いものは控えられるべきである。農薬やBSE、遺伝子組み換え食品の危険性よりも、はるかに高い危険性が知られている。それなりの政策を検討すべきだ。日本人の知識の偏りが伺える件とも言える。
生成過程からわかるのだけど、NYの政策に困っているのはレストラン。メニューに影響が出るだけでなく、どう評価するのかが、消費者はどう判断するのかでもめている。正確な監査は入らないと思うので、おそらく自主規制ということになるだろう。ショートニングを利用するお菓子などには影響がでる。お菓子屋さんなどは注意して見てみると良いかも。
ボストンもそのうち処置に動き出すものでは・・・HarvardやTuftsの連中がトランス脂肪酸の研究を加速させてきたのだから。動き出してほしい。
トランス脂肪酸が多く含まれている食品の1つがマーガリン。バターとマーガリンどっちが身体に良いかというと、バターに旗が揚げられる。植物性油脂で作ったマーガリンの方が・・・と考えがちかもしれないが、液体状の脂を強引に固体状の脂に加工する際に、トランス脂肪酸が生成されることが知られている。従って、欧米ではマーガリンは危険視されている。植物性の油に由来する食品、特にそれをうたっている食品には注意しなくてはいけない。
では日本のマーガリンは身体に悪いのか?それが難しい。実は日本の製品の中には、動物性脂と植物性脂を混ぜて、マーガリンを作っている会社もある。100%植物性のマーガリンではないものがそれ。なんだか、いんちき臭い作り方のような印象を受けるが、それはそれ。化学的に考えるとおそらくバターや100%植物性のマーガリンよりも身体によいだろう。自分の知る限り日本ではあまり注目されていないので、心臓病や動脈硬化と脂質の関係を研究する研究室は参考にしてほしいものである。
ファーストフードのフライドチキンは害悪なのだけど、日本食と考えられている天ぷらも実は怪しいものだ。いったいどれだけ身体に悪いのか、、、示唆する研究はあるかと思うが、長期的な効果の評価はまだでは?おそらくたくさんの人から血液をサンプルするようなことをしないと評価できないだろう。あげものというのは、なにやらおいしそうに見えてしまうものである。野菜がごろごろとしているものよりも、衣をまとっているものの方がおいしい。手馴れた料理人はつい揚げてしまうかと。注意しなくてはいけないこと。
まとまりないけどおしまい。
www.klumanandbalter.com/ fats_oils.html
コレステロール ? − 寒天のダイエット
2005年7月16日 ●Boston●科学雑記
くー!
日本人が研究してたかぁ。
Diabetes, Obesity and Metabolism
Volume 7 Issue 1 Page 40 - January 2005より。
http://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1463-1326.2004.00370.x
ORIGINAL ARTICLE
Effects of agar (kanten) diet on obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes
H. Maeda, R. Yamamoto, K. Hirao and O. Tochikubo
Aim: The aim of this study was to evaluate the efficacy of agar diet in combination with a conventional diet (traditional Japanese food) for obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.
Methods: After a 4-week run-in period on their habitual diets, 76 patients were randomly assigned to have conventional diet or conventional diet with agar. Both groups were on these diets for 12 weeks. Body weight, body mass index (BMI), glycaemic control, blood pressure, insulin resistance, total body fat, fat distribution and lipids were assessed before and after the experimental period.
Results: In both groups, after 12 weeks, mean body weight, BMI, fasting glucose levels, homeostasis model assessment-insulin resistance, and systolic and diastolic blood pressures had decreased significantly from their baseline values. HbA1c, visceral fat area, subcutaneous fat area, total body fat, insulin area under the curve after oral glucose tolerance test and total cholesterol decreased significantly in the agar-diet group. After 12 weeks, mean changes of body weight (2.8 ± 2.7 kg vs. 1.3 ± 2.3 kg, p = 0.008), BMI values (1.1 ± 1.1 kg/m2 vs. 0.5 ± 0.9 kg/m2, p = 0.009) and total cholesterol (7.6 ± 27.5 mg/dl vs. + 2.4 ± 23.4 mg/dl, p = 0.036) were significantly greater in the agar-diet group than in the conventional diet group.
Conclusions: The agar diet resulted in marked weight loss due to the maintenance of reduced calorie intake and to an improvement in metabolic parameters.
寒天でダイエット。
けっこう良いと思った。
海藻由来の食品ということでアジアの価値だと思う。
欧米ではあまり海藻は食されることはないので
欧米では着目されずに至っていたのでは?
ゲル化して糖分やコレステロールの吸収を妨げる、
胃腸や胃腸内の菌の働きを活発にする、
等々の効果があるのだけど、ちょっとヨーグルトに似てる。
ヨーグルトにも同様の効果があるのだけど、
こちらはProbioticsという。
発酵を担う菌がすでに含まれているという点でPro-が付いている。
寒天には菌は含まれていなくても、
発酵を促す効果があるが、菌は含まれておらず
Bioticsにまだ至っていないということでPrebioticsと呼ばれている。
2つの効果を有しているものをSynbioticsという。
Syn-というのはシンクロナイズドのSynと同義で合成という意味。
納豆がSynbioticsという点で最強だと思う。
すでにゲル状物質を有しており、さらに納豆菌を含んでいる。
ただ完璧なダイエットは世の中に存在せず
コレステロールを妨げているという点で
ある種のビタミンの吸収が減っているように思う。
あるいは本来摂取すべき量の脂肪や他の栄養素を
すべて寒天におきかえたとすると、当然、栄養失調に陥る。
「寒天に置き換える」みたいなものを促進している類もあるけれど
その辺は適当に。
寒天をダイエットに取り込むのは良いけれど、
体重を落とすことに重きを置くと、
やはりバランスが保てなければ、、、ということ。
「寒天ラーメン!」
とかあったけど、食塩の摂取を高めることになるでしょう。
糖尿病の気のある成人男性だとかにもっと薦めたい。
美容に注目するのも良いけれど。
ご婦人様方、ご注目ください。
あと海藻由来だったら
ビタミンB郡が豊富だと思うんだけど
そういうネタはないのかな。
寒天の画像はこちらから(2008年4月追加)
http://www.kantenhonpo.co.jp/site/recipe/dessert/imo.htm
日本人が研究してたかぁ。
Diabetes, Obesity and Metabolism
Volume 7 Issue 1 Page 40 - January 2005より。
http://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1463-1326.2004.00370.x
ORIGINAL ARTICLE
Effects of agar (kanten) diet on obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes
H. Maeda, R. Yamamoto, K. Hirao and O. Tochikubo
Aim: The aim of this study was to evaluate the efficacy of agar diet in combination with a conventional diet (traditional Japanese food) for obese patients with impaired glucose tolerance and type 2 diabetes.
Methods: After a 4-week run-in period on their habitual diets, 76 patients were randomly assigned to have conventional diet or conventional diet with agar. Both groups were on these diets for 12 weeks. Body weight, body mass index (BMI), glycaemic control, blood pressure, insulin resistance, total body fat, fat distribution and lipids were assessed before and after the experimental period.
Results: In both groups, after 12 weeks, mean body weight, BMI, fasting glucose levels, homeostasis model assessment-insulin resistance, and systolic and diastolic blood pressures had decreased significantly from their baseline values. HbA1c, visceral fat area, subcutaneous fat area, total body fat, insulin area under the curve after oral glucose tolerance test and total cholesterol decreased significantly in the agar-diet group. After 12 weeks, mean changes of body weight (2.8 ± 2.7 kg vs. 1.3 ± 2.3 kg, p = 0.008), BMI values (1.1 ± 1.1 kg/m2 vs. 0.5 ± 0.9 kg/m2, p = 0.009) and total cholesterol (7.6 ± 27.5 mg/dl vs. + 2.4 ± 23.4 mg/dl, p = 0.036) were significantly greater in the agar-diet group than in the conventional diet group.
Conclusions: The agar diet resulted in marked weight loss due to the maintenance of reduced calorie intake and to an improvement in metabolic parameters.
寒天でダイエット。
けっこう良いと思った。
海藻由来の食品ということでアジアの価値だと思う。
欧米ではあまり海藻は食されることはないので
欧米では着目されずに至っていたのでは?
ゲル化して糖分やコレステロールの吸収を妨げる、
胃腸や胃腸内の菌の働きを活発にする、
等々の効果があるのだけど、ちょっとヨーグルトに似てる。
ヨーグルトにも同様の効果があるのだけど、
こちらはProbioticsという。
発酵を担う菌がすでに含まれているという点でPro-が付いている。
寒天には菌は含まれていなくても、
発酵を促す効果があるが、菌は含まれておらず
Bioticsにまだ至っていないということでPrebioticsと呼ばれている。
2つの効果を有しているものをSynbioticsという。
Syn-というのはシンクロナイズドのSynと同義で合成という意味。
納豆がSynbioticsという点で最強だと思う。
すでにゲル状物質を有しており、さらに納豆菌を含んでいる。
ただ完璧なダイエットは世の中に存在せず
コレステロールを妨げているという点で
ある種のビタミンの吸収が減っているように思う。
あるいは本来摂取すべき量の脂肪や他の栄養素を
すべて寒天におきかえたとすると、当然、栄養失調に陥る。
「寒天に置き換える」みたいなものを促進している類もあるけれど
その辺は適当に。
寒天をダイエットに取り込むのは良いけれど、
体重を落とすことに重きを置くと、
やはりバランスが保てなければ、、、ということ。
「寒天ラーメン!」
とかあったけど、食塩の摂取を高めることになるでしょう。
糖尿病の気のある成人男性だとかにもっと薦めたい。
美容に注目するのも良いけれど。
ご婦人様方、ご注目ください。
あと海藻由来だったら
ビタミンB郡が豊富だと思うんだけど
そういうネタはないのかな。
寒天の画像はこちらから(2008年4月追加)
http://www.kantenhonpo.co.jp/site/recipe/dessert/imo.htm
コレステロール ? − 精神医学のプレゼン
2005年2月3日 ●Boston●科学雑記 先日、引き受けたのは、実はその日の午前中に、似た内容でプレゼンテーションする予定だったから。二連荘で、同じような内容にしようと思ってた。でも午前中にあったと思ったものは、実は来週だった・・・けっきょく、午後の引き受けたもののみになってしまった。
精神医学系の論文を見て取ると、やはりその分野に特有のアレコレがあり、いろいろと考えさせられる。
ところで、自分の研究をよそに、精神医学系の論文を手に取るのは、疫学の関係が酷く未開拓であることと、日本では自殺がはやっているということが動機となっている。今後、知識が何かの役に立てばと願う。
コレステロールというと、どんなイメージをいだくでしょう。実は自殺や精神疾患の領域では、コレステロールは低いと良くないという研究結果が数多くある。コレステロールは、細胞の強さや、細胞間の情報のやりとりに深く関わっており、量的に少なくなってくると、その情報のやり取りに支障をきたす。うつ病がその結果の1つである。
近年、高脂血症と循環器系の疾患との兼ね合いで、コレステロールの濃度を下げる薬剤が多く市場に出回っているが、その影響でコレステロールの低くなりすぎることを問題視する学者が多くいるのが現状である。実際に、コレステロールの低い人を数年追跡すると、高い人と比較すると、自殺を図る人や欝傾向を示す人が多いという疫学結果が存在する。
細胞生物学的にも、欝に関わる情報伝達系において、コレステロールは重要な役割を果たしているということがわかっているために、因果関係は強く、もはや無視できるものではない。有力な医学雑誌にも強い意見が出ている。
精神医学系の論文に通じると、疫学的に無視できない論文にも出くわすことがあるということである。コレステロールも低けりゃいいというものではないということ。
日本ではそれに関する説を提唱している人はいるにはいるものの、やはり劣勢に立たされているというのは聞いたことがある。疫学と生物学で、立証していかなくてはいけないことのように思う。
ただ、考えてみれば納得がいくのでは?コレステロールは細胞の構成に必須の分子であるし、それがなければ、細胞の連絡網がうまく機能しない。さらに、コレステロールはステロイドホルモンの前駆体である。濃度が低ければ、それだけ性ホルモンなどのステロイドホルモンの生産効率が落ちるので、心身に支障をきたすのは・・・納得できません?
どれだけ低ければ支障をきたすのか。支障をきたすということを知っておきながら、臨床試験を行うわけにはいかないので、猿を用いて獰猛性を検証したり、疫学結果を検証したりする研究がある。 Constantな結果が出ているので、そろそろコレステロールを下げるということに歯止めを利かす意見が一般化してもいいのでは・・・?と思う。
コレステロールが高いと循環器系の病気を引き起こしやすくなるというのは、70年程の歴史がある事柄・・・。覆すわけではないが、低すぎても問題なんだ・・・というのも、それなりに受け入れられるべきだろう。
そんなことを精神医学は教えてくれるわけです。もちろん、それだけではないので、また書いていきたいと思っています。
精神医学系の論文を見て取ると、やはりその分野に特有のアレコレがあり、いろいろと考えさせられる。
ところで、自分の研究をよそに、精神医学系の論文を手に取るのは、疫学の関係が酷く未開拓であることと、日本では自殺がはやっているということが動機となっている。今後、知識が何かの役に立てばと願う。
コレステロールというと、どんなイメージをいだくでしょう。実は自殺や精神疾患の領域では、コレステロールは低いと良くないという研究結果が数多くある。コレステロールは、細胞の強さや、細胞間の情報のやりとりに深く関わっており、量的に少なくなってくると、その情報のやり取りに支障をきたす。うつ病がその結果の1つである。
近年、高脂血症と循環器系の疾患との兼ね合いで、コレステロールの濃度を下げる薬剤が多く市場に出回っているが、その影響でコレステロールの低くなりすぎることを問題視する学者が多くいるのが現状である。実際に、コレステロールの低い人を数年追跡すると、高い人と比較すると、自殺を図る人や欝傾向を示す人が多いという疫学結果が存在する。
細胞生物学的にも、欝に関わる情報伝達系において、コレステロールは重要な役割を果たしているということがわかっているために、因果関係は強く、もはや無視できるものではない。有力な医学雑誌にも強い意見が出ている。
精神医学系の論文に通じると、疫学的に無視できない論文にも出くわすことがあるということである。コレステロールも低けりゃいいというものではないということ。
日本ではそれに関する説を提唱している人はいるにはいるものの、やはり劣勢に立たされているというのは聞いたことがある。疫学と生物学で、立証していかなくてはいけないことのように思う。
ただ、考えてみれば納得がいくのでは?コレステロールは細胞の構成に必須の分子であるし、それがなければ、細胞の連絡網がうまく機能しない。さらに、コレステロールはステロイドホルモンの前駆体である。濃度が低ければ、それだけ性ホルモンなどのステロイドホルモンの生産効率が落ちるので、心身に支障をきたすのは・・・納得できません?
どれだけ低ければ支障をきたすのか。支障をきたすということを知っておきながら、臨床試験を行うわけにはいかないので、猿を用いて獰猛性を検証したり、疫学結果を検証したりする研究がある。 Constantな結果が出ているので、そろそろコレステロールを下げるということに歯止めを利かす意見が一般化してもいいのでは・・・?と思う。
コレステロールが高いと循環器系の病気を引き起こしやすくなるというのは、70年程の歴史がある事柄・・・。覆すわけではないが、低すぎても問題なんだ・・・というのも、それなりに受け入れられるべきだろう。
そんなことを精神医学は教えてくれるわけです。もちろん、それだけではないので、また書いていきたいと思っています。
コレステロール ? − 栄養学の挑戦
2004年12月6日 ●Boston●科学雑記食事で精神状態をコントロールできるのか、
僕はできると思っている。
(できると思っているからコントロールできるのかも。)
少なくとも生活習慣病と比較すると楽に、
精神疾患等は栄養学が治療することができると思っている。
高い医薬品を使ってもらって、
医薬品に依存する生活にしてしまったり
そういった状況を覆すことができる。
血中コレステロールが一定値を下回ると自殺する率が高まるという。
こういう疫学結果は
自殺した人の過去の血中コレステロールのデータを見てみると一定値を下回っているから
そういう風に述べているのであって
因果関係については特に何も言っていない。
これが90年代半ばの話。
だが2002年ごろに生化学系の学術論文で、
脳細胞特有の情報伝達系でコレステロールが特異的に作用する経路が報告された。
セロトニンという神経伝達物質の合成に関与する系を促進するということで、
コレステロールの摂取が低いと、セロトニンの合成量が低下、
落ち着きなく、情緒が不安定になりやすくなるのでは?という
仮説を立てることが可能になる。
正直、あの論文はまだ生化学の範囲を出ておらず
なんともいえない部分があるのだけど、大事な点は栄養素の役割は
巷で知れ渡っているほど単純ではないということ。
悪玉コレステロール、善玉コレステロール、、、
そういったことも重要なことなのだけど。
また
セロトニンやその他の神経伝達物質の多くは
特定のアミノ酸を原料にして合成される。
従ってその特定のアミノ酸(トリプトファン、チロシン)の摂取が重要になってくる。
精神科医は
そういった神経伝達物質の働く神経経路に作用するような医薬品を投与することを考える。
でもどうか、、、その神経伝達物質の原料となる
アミノ酸の摂取をコントロールすることは、、、?
眠くなったり、いらいらしたり、、、一日の周期に合わせて
そういったダイエットのアプローチを仕掛けることは
とても可能性がある話だと思うけれど、
あまり話しにあがることはない。
正直、医薬品会社が高価な医薬品を売るために
情報が不必要に交錯してるんじゃないかとか
余計なことも考えてしまう。
いつか
脳神経系のセミナーがあったのだけど薬学のプロが講義を行ってくれた。
とってもためになったのだけど、
トリプトファンからセロトニン等を合成する系で
彼は副生成物であるニコチナマイドについて、
「これはきっと毒だろうけれど、、、」
という風に紹介していた。
ニコチンというと煙草に含まれる物質で毒性があるように思っていたんだと思う。
残念、そのニコチナマイドはナイアシンのこと。
ビタミンB2に分類される栄養素の1つ。
栄養学ではナイアシンは必須栄養素(以前までは)。
体内で合成できるものだとは思っていない人もいる。
神経学者にとってトリプトファンから合成されるニコチン様物質は
ナイアシンという栄養素だとは知っていないらしい。
分野間の溝が見えた瞬間、、、
脳神経のプロは学についてご存知でない可能性がある。
たとえば、
病院に入院する患者さんのための栄養学の貢献の仕方というのは
1日の必須栄養素を満たすことが念頭においてある気がする。
あるいは病気を悪化させないようにするような。
(糖尿病患者に対して等々)
栄養学者(ここで言う栄養学とは料理研究家さんなどの栄養など
とは異なります)は医療現場をサポートする役割を果たしてきたんだと思う。
僕はできると思っている。
(できると思っているからコントロールできるのかも。)
少なくとも生活習慣病と比較すると楽に、
精神疾患等は栄養学が治療することができると思っている。
高い医薬品を使ってもらって、
医薬品に依存する生活にしてしまったり
そういった状況を覆すことができる。
血中コレステロールが一定値を下回ると自殺する率が高まるという。
こういう疫学結果は
自殺した人の過去の血中コレステロールのデータを見てみると一定値を下回っているから
そういう風に述べているのであって
因果関係については特に何も言っていない。
これが90年代半ばの話。
だが2002年ごろに生化学系の学術論文で、
脳細胞特有の情報伝達系でコレステロールが特異的に作用する経路が報告された。
セロトニンという神経伝達物質の合成に関与する系を促進するということで、
コレステロールの摂取が低いと、セロトニンの合成量が低下、
落ち着きなく、情緒が不安定になりやすくなるのでは?という
仮説を立てることが可能になる。
正直、あの論文はまだ生化学の範囲を出ておらず
なんともいえない部分があるのだけど、大事な点は栄養素の役割は
巷で知れ渡っているほど単純ではないということ。
悪玉コレステロール、善玉コレステロール、、、
そういったことも重要なことなのだけど。
また
セロトニンやその他の神経伝達物質の多くは
特定のアミノ酸を原料にして合成される。
従ってその特定のアミノ酸(トリプトファン、チロシン)の摂取が重要になってくる。
精神科医は
そういった神経伝達物質の働く神経経路に作用するような医薬品を投与することを考える。
でもどうか、、、その神経伝達物質の原料となる
アミノ酸の摂取をコントロールすることは、、、?
眠くなったり、いらいらしたり、、、一日の周期に合わせて
そういったダイエットのアプローチを仕掛けることは
とても可能性がある話だと思うけれど、
あまり話しにあがることはない。
正直、医薬品会社が高価な医薬品を売るために
情報が不必要に交錯してるんじゃないかとか
余計なことも考えてしまう。
いつか
脳神経系のセミナーがあったのだけど薬学のプロが講義を行ってくれた。
とってもためになったのだけど、
トリプトファンからセロトニン等を合成する系で
彼は副生成物であるニコチナマイドについて、
「これはきっと毒だろうけれど、、、」
という風に紹介していた。
ニコチンというと煙草に含まれる物質で毒性があるように思っていたんだと思う。
残念、そのニコチナマイドはナイアシンのこと。
ビタミンB2に分類される栄養素の1つ。
栄養学ではナイアシンは必須栄養素(以前までは)。
体内で合成できるものだとは思っていない人もいる。
神経学者にとってトリプトファンから合成されるニコチン様物質は
ナイアシンという栄養素だとは知っていないらしい。
分野間の溝が見えた瞬間、、、
脳神経のプロは学についてご存知でない可能性がある。
たとえば、
病院に入院する患者さんのための栄養学の貢献の仕方というのは
1日の必須栄養素を満たすことが念頭においてある気がする。
あるいは病気を悪化させないようにするような。
(糖尿病患者に対して等々)
栄養学者(ここで言う栄養学とは料理研究家さんなどの栄養など
とは異なります)は医療現場をサポートする役割を果たしてきたんだと思う。
コレステロール ? − CoQ10
2004年11月22日 ●Boston●科学雑記
CoQ10、コエンザイムQ10。
10ってなんだっていうと、
ある特定の化学構造が10個、連なってますよって意味です。
CoEnzymeってのは、酵素の働きを助けますよって意味。
CoQ10は栄養素ではなく、体内で合成できる物質。
コレステロールの合成系と連結しており、
コレステロールの摂取が高い人はその合成が少なくなる。
これもまた抗酸化物質っていうか、
酸素の代謝をスムーズにする効果をもっているはず。
でも鉄イオンやモリブデンといった
金属イオンと競合して活躍するために
それらの存在が必須となるわけで、
このCoQ10だけ摂取していれば良いというとそうではない。
でもほかのサプリメントに比べて
この話は信頼できるなぁと思うところです。
でもやはり多量摂取は逆に
活性酸素系の物質を生んでしまいそうな予感。
バランスが必要でしょう。
栄養素ではないので、
栄養学を学んでいる間にはあまり登場しない物質なので実は疎いのだ。
だが、ビタミンEやA、Kなどの栄養素と
似た構造をもっているためにあなどれない存在ではある。
ビタミンEのサプリメントが心疾患の危険率を上げたっていう
結果が出たのと同じように、
まだ未開の作用があるんじゃないのとにらんでいるところです。
良し悪しはわかりませんが、、、
どうなることやら?
ただおもしろいなって思ったことは、
抗酸化物の効果をうたう物が、
たいてい、肌がきれいになりますよ!って切り口なところ。
もしも本当に抗酸化効果があるとしたら
肌だけにかぎったことではない。体全体に良いはず。
後述(2008年4月) − コレステロールの関係として、
コレステロールの合成を阻害すると、
CoQ10の合成も阻害されるだろうと考えられている。
コレステロール合成阻害剤に対する懸念のわけ。
画像はこちら。
http://www.pharmanex.com/corp/product/solutions/coq10.shtml
10ってなんだっていうと、
ある特定の化学構造が10個、連なってますよって意味です。
CoEnzymeってのは、酵素の働きを助けますよって意味。
CoQ10は栄養素ではなく、体内で合成できる物質。
コレステロールの合成系と連結しており、
コレステロールの摂取が高い人はその合成が少なくなる。
これもまた抗酸化物質っていうか、
酸素の代謝をスムーズにする効果をもっているはず。
でも鉄イオンやモリブデンといった
金属イオンと競合して活躍するために
それらの存在が必須となるわけで、
このCoQ10だけ摂取していれば良いというとそうではない。
でもほかのサプリメントに比べて
この話は信頼できるなぁと思うところです。
でもやはり多量摂取は逆に
活性酸素系の物質を生んでしまいそうな予感。
バランスが必要でしょう。
栄養素ではないので、
栄養学を学んでいる間にはあまり登場しない物質なので実は疎いのだ。
だが、ビタミンEやA、Kなどの栄養素と
似た構造をもっているためにあなどれない存在ではある。
ビタミンEのサプリメントが心疾患の危険率を上げたっていう
結果が出たのと同じように、
まだ未開の作用があるんじゃないのとにらんでいるところです。
良し悪しはわかりませんが、、、
どうなることやら?
ただおもしろいなって思ったことは、
抗酸化物の効果をうたう物が、
たいてい、肌がきれいになりますよ!って切り口なところ。
もしも本当に抗酸化効果があるとしたら
肌だけにかぎったことではない。体全体に良いはず。
後述(2008年4月) − コレステロールの関係として、
コレステロールの合成を阻害すると、
CoQ10の合成も阻害されるだろうと考えられている。
コレステロール合成阻害剤に対する懸念のわけ。
画像はこちら。
http://www.pharmanex.com/corp/product/solutions/coq10.shtml