謙虚で堅実な講演が良いと思います
2009年4月14日 ●Boston●考察(社会学・公衆衛生学) コメント (9)学会に行ってました。。
そのことはまた後日・・
その前に自分の所属しているH大の施設のDeanにお会いした。
まぁ、多くの人が挨拶している中にまぎれたので、当然、
覚えてもらっているとは思わないが・・
彼の主催したイベントでは、教授数人が講演を行ったのだが
その中の1人が自分の研究する領域でとても有名な方だった。
論文の結果をいくつか組み合わせてお話をするのだけど
話の組み立てがはっきりしていてわかりやすかった。
他の人じゃ、こうは行かないだろうな。
そのイベントは、乳がんをトピックに、社会学者、疫学者、
医者が講演をするという形だったのだけど、どうも疫学者・
医者が話をした方が、説得力があったように感じる。
今回、2人の社会学者さんの話をした内容は、
「それ本当なの?」「どれくらいの規模なの?」
と訊きたくなるようなものばかりであった。
選ばれている情報がとても恣意的だし、量的でないために
規模がわからない。
最終的な結論が、主観的で、どれだけ一般化できるのか
はっきりしない。
1人は、発展途上国の乳がんの話をしてくださったのだが、
一般の人からしたら、「他の病気と比べてどれだけ重要?」というのが
おそらくトップにくる質問かと思うのだが、その答えも見当たらなかったし
とにかく乳がんの率が過去に比べて上昇しており、さらに患った方々が
可愛そうな状況なんだ・・というのが伝わったのみで、
「公衆衛生学」として、何が重要なのかよくわからなかった。
近所の癌の研究施設の医師がしたお話は、近年、乳がんの領域では
有効な治療がそれほど発展してきていないことを臨床試験の結果で論じ
さらに、乳がんのスクリーニングをすることによって、癌の予後が死亡率を
下げるという臨床試験の結果を示し、スクリーニングとそのシステムの
重要性を示した。
疫学者は、大人の生活の因子だけでなく、10代の頃の生活の因子まで
その後の乳がんの発症率に影響を与えていることを、
疫学研究結果を元に論じた。
医師と疫学者のお話は、客観的で解りやすく、情報源も
1つ1つ示してくださったし、「本当なの?」というような
疑問を抱くことはなかった。
最後に社会学者2人目がお話をしたのだけど、
気分が悪くなったので途中で退席した。
気分が悪いというのは体調ではなくて、胸○そ悪いという意味で。
女性の社会学の専門家ということで、たとえば
他の分野の医療研究は男性の研究に重きが置かれていたり、
医療行為・医療制度などは、家庭の状況が考慮されない事を
言いたかったんだとは思うが、その論じ方が酷かった。たとえば、
女性は昔から虐げられた存在、この社会は男尊女卑そのもの、
男性は女性の立場を重んじていない、男性は女性の気持ちを
これっぽっちもわからないのだ・・とでも言わんばかりの口調。
詳しくは思い出せないが、例え話なども、極端な例ばかりで
ちょっと聴くに堪えなかった。
自分の聴いたことのある社会学的な話では、きちんとした
世論調査やデータなどを基に議論が進められていたもの
ばかりだったのだけど、今回のはちょっと違いました・・
同じ話でも、論じ方でだいぶ印象が違うようです。
専門家・科学者として公で発表する際は、やっぱり謙虚で
明快な感じが良いのではないかと思うのでした。
おしまい・・
最初の画像は、その講演の様子
各席にマイクが取り付けられていてお金かかってるご様子!
ピンクリボンは乳がんキャンペーンのシンボルですね。
2つ目の画像は、ビルの1階の掲示板。
講演などの張り紙がたくさん・・疫学だけでなく、幅広い
分野の講演の情報が張られるので、量が多いです。
3つ目はキャンパス内の一画・・のんびり(人物は僕じゃないです)。
春になり、子供連れが芝生で遊んでいたりします。
コメント
。。。。ではないですよね。2度目の書き込みかなと記憶してるのですが。
あしあとに残されてるお名前を見て私みたいな日記を覗いてくれてると変な感動を感じてます(笑
今回の内容は身近な問題なだけにもっと色んなことを知りたいなと思いました。
3大成人病と昔から言われてる中やはりガンて聞くとビビってしまいます。
(これ以外にいろいろ治療が解明できてない病気がたくさんあるのにね)
お元気でご活躍のご様子、頼もしい限りです♪
がんの治療に苦しんだ身内がいるので他人事とは思えません。
がん細胞も自分の身体の一部なんですよね。
がんをやっつける=自分自身をも痛めつける
それでも僅かな可能性に全てを託したくなるのが人情で。。。
いろんな観点からの複合的な視野での論説なのですから
有意義なものであって欲しいですよね。
突破口の鍵を握るのはやはりBowさんしかいないのでは?!
コメント、どうもありがとうございます!
3大成人病でも、細胞学的な研究から臨床医療の効率を図る
研究までさまざまで、まだまだ改良の余地があるのだと思います。
生活習慣で防げる病気は極限まで発症を防いで、その間、
もっと稀な病気の研究や専門家が増えればよいですね。。
まだまだ活躍しているとは言い難いのですが
今後とも宜しくお願いします!
やはり医師にはわからない患者の苦悩など、
癌に限らず、脳卒中や心不全、透析患者など
多くあるのでしょうね。
そういったことも薬の臨床試験と同じような研究の質で
実態を把握できるよう研究がなされ、
バラ色のくまさんがおっしゃるようにいろいろな観点で
議論がされる場が増せばと思います。
そして、その際に、いろんな分野の専門家が、互いに
論調を理解しながら議論が進めばよいなーと思います。
ごあいさつが遅くなってしまって申し訳ありません
こちらこそリンクありがとうございました♪
なかなかこういったお話は簡単に聞くことができませんし
とても興味深く読ませていただいております
どうぞよろしくおねがいします♪
10代の頃の生活までがんに影響してくるとか、怖いですねぇ。
男なので多分関係ないとは思いますが… 他のがんにも共通してたら、
私とか即アウトな予感です。
でも、結局がんの質が変わってきたり増えてきたりというのは、
生活が関係してるんでしょうけどね…。
こちらこそ、どうもありがとうございます。
お返事、遅くなってごめんなさい・・
そうですね、、癌などの生活習慣病の話もそうですし、
インフルエンザやワクチンの話など、専門家が判りやすく
説明しないといけない局面が多くなっている感じですよね。
自分でも情報を整理するつもりで書けたらよいのですが・・
時間がとれたらと思っています!
これからもよろしくお願いします・・
男性にとって乳がんは脅威ではありませんが、
他の癌でも糖尿病やら、、やっぱりどんな病気でも、
成長過程の環境が影響してくると思います。
もちろん、普段の生活がそれを上回るほど重要と思いますが・・
大腸がんなどが増えて、脳卒中が減ったりしているのは
やっぱり環境・生活の変化があると思います。
疫学の研究もたくさんあるんですよー。
なかなか一般の目には触れないですしね…。
まぁ、間違ってることもあるのかも知れませんが、今の状態は情報が少ない
気がしますしね。何でそういう癌が増えているのか、さっぱり出てこないですし。
HPVしかり、日本は何か間違ってるような…