実験室にて
2003年1月17日 ●Boston●日常徒然バングラデシュのこと
けっきょく、2週間と数日、
血液のサンプルは来ることがなかった。
まぁ、来たところで12週間続く研究だから、
僕は帰らなくてはいけないのだけど、、、
ということで、何をしたのかというと、
現地のスタッフに、サンプリングの方法を伝えるということ。
向こうの医学博士所持者は、学生の頃、1度、
細胞を数えるという実習をしたらしいのだけど、
血液成分の分析までは行っていないとのことだった。
僕も覚えたてだったはずだが、
1年の研究室での経験のおかげか難なく覚えていた、、、
というか、教えてもらった手順の意味等を
しらみつぶしに理解し改善した。
それで、3人のお医者さんの1人ずつに、
僕が最初に実演し、
次にやってもらうということをしたのだけど、
性格がもろの出るんだね。あぁいう仕事は。
1人は忙しい人で、1度ちらっと実演を見て、
どっかへ行かなくてはならなかった。
次の機会では、まだわからないから、、、ということで
僕のやったすぐ後についてやってもらうという風にした。
、、、何を急いでいるのか、扱いがすごく荒い。
そして、それにミスが伴う。
しかも、全部終わったあとには、
「あぁ、これで私もマスターしたわ」
と言い切ってしまったのである。
次の1人は、よく喋る人間だった。
「この次には、これをこうして、こうやればいいんだよね!」
「うん。そうだよ。」
みたいな確認のような会話を何度も繰り返したのだが、
「注意して」とコメントしたすぐあとに、
喋りだして、注意が散漫になり、うっかりミスをするのだ。
資料溶液の入ったピペットを逆さに持ち上げたり
気を配りさえすればよいところが散漫になるのだった。
彼は暇なのか、僕が実践した(3回)以上に、
血液サンプル(オフィスで働く人の血液を拝借)を
扱う機会を与えたのだが、それでもうまくできない。
どっかしらミスをする。
「この人はだめだ」と思った。
よく喋るように、何かと積極的な人なので、
きっと、本番のサンプルでも彼が実践するのだろう。
やだな。やってほしくないな。。。
最後の1人は、
僕がフィールドリサーチを見学するときのドクターさんだった。
彼は腰をすえる医者のように物静かの人なのだけど、
さすがに、1番、教えやすかった。
最初はミスをする事があったのだけど、
それはこちらの教え方が下手だったとわかるくらい。
もしくは、初めてで手が震えてちょっと荒れるといった程度。
2回で、どうやら覚えてくれたらしい。
3回目では特に問題のない様子だった。
まぁ、そんな感じだった。
なんか、外科医に誰もがなれるわけではないように、
一見、簡単に見える操作でも、
できる人、できない人が分かれるんだと、、、
そう思わされた。
けっきょく僕の仕事はそんな感じで終わってしまった。
午前の10時頃から、ひとりに付いて、
そして、午後2時ごろから次のひとり、、、おしまい。
といったところ。
たまによく喋る教授が来たのだけど、
その人は実験室で仕事している人だから、
もちろん僕よりも知識と経験がある。彼が入ってくると、
僕は何もすることがなくなってしまって、時間を持て余した。
実は、いったい自分は何のために来たんだと、
スタッフに切れそうにもなったのだ。
まぁ、他の偉大な出会いがあったから良かったけれど。
はっきり言って、お箸を使う文化で育った日本人は、
手先が器用だと思う。失敬、手を使っている彼らより。
事実は知らないけれど、なんだかそう思わせることが多かった。
気をつけてねって断っても、
その次の5秒間気をつけられる人、10秒間気をつけられる人といる。
もしくは、右手に気を配っているとき、左手がお粗末になる人もいる。
5本の指に、それぞれ別の注意力を払える人と、
全部、まとめて「手」としか、注意力を払えない人といる。
そういうような違いを目の当たりにした。
偏屈ではあるが、ある意味、僕に自信を与えてくれた事実。。。
自分は、実験系で生きていける類の人間だと思う。
けっきょく、2週間と数日、
血液のサンプルは来ることがなかった。
まぁ、来たところで12週間続く研究だから、
僕は帰らなくてはいけないのだけど、、、
ということで、何をしたのかというと、
現地のスタッフに、サンプリングの方法を伝えるということ。
向こうの医学博士所持者は、学生の頃、1度、
細胞を数えるという実習をしたらしいのだけど、
血液成分の分析までは行っていないとのことだった。
僕も覚えたてだったはずだが、
1年の研究室での経験のおかげか難なく覚えていた、、、
というか、教えてもらった手順の意味等を
しらみつぶしに理解し改善した。
それで、3人のお医者さんの1人ずつに、
僕が最初に実演し、
次にやってもらうということをしたのだけど、
性格がもろの出るんだね。あぁいう仕事は。
1人は忙しい人で、1度ちらっと実演を見て、
どっかへ行かなくてはならなかった。
次の機会では、まだわからないから、、、ということで
僕のやったすぐ後についてやってもらうという風にした。
、、、何を急いでいるのか、扱いがすごく荒い。
そして、それにミスが伴う。
しかも、全部終わったあとには、
「あぁ、これで私もマスターしたわ」
と言い切ってしまったのである。
次の1人は、よく喋る人間だった。
「この次には、これをこうして、こうやればいいんだよね!」
「うん。そうだよ。」
みたいな確認のような会話を何度も繰り返したのだが、
「注意して」とコメントしたすぐあとに、
喋りだして、注意が散漫になり、うっかりミスをするのだ。
資料溶液の入ったピペットを逆さに持ち上げたり
気を配りさえすればよいところが散漫になるのだった。
彼は暇なのか、僕が実践した(3回)以上に、
血液サンプル(オフィスで働く人の血液を拝借)を
扱う機会を与えたのだが、それでもうまくできない。
どっかしらミスをする。
「この人はだめだ」と思った。
よく喋るように、何かと積極的な人なので、
きっと、本番のサンプルでも彼が実践するのだろう。
やだな。やってほしくないな。。。
最後の1人は、
僕がフィールドリサーチを見学するときのドクターさんだった。
彼は腰をすえる医者のように物静かの人なのだけど、
さすがに、1番、教えやすかった。
最初はミスをする事があったのだけど、
それはこちらの教え方が下手だったとわかるくらい。
もしくは、初めてで手が震えてちょっと荒れるといった程度。
2回で、どうやら覚えてくれたらしい。
3回目では特に問題のない様子だった。
まぁ、そんな感じだった。
なんか、外科医に誰もがなれるわけではないように、
一見、簡単に見える操作でも、
できる人、できない人が分かれるんだと、、、
そう思わされた。
けっきょく僕の仕事はそんな感じで終わってしまった。
午前の10時頃から、ひとりに付いて、
そして、午後2時ごろから次のひとり、、、おしまい。
といったところ。
たまによく喋る教授が来たのだけど、
その人は実験室で仕事している人だから、
もちろん僕よりも知識と経験がある。彼が入ってくると、
僕は何もすることがなくなってしまって、時間を持て余した。
実は、いったい自分は何のために来たんだと、
スタッフに切れそうにもなったのだ。
まぁ、他の偉大な出会いがあったから良かったけれど。
はっきり言って、お箸を使う文化で育った日本人は、
手先が器用だと思う。失敬、手を使っている彼らより。
事実は知らないけれど、なんだかそう思わせることが多かった。
気をつけてねって断っても、
その次の5秒間気をつけられる人、10秒間気をつけられる人といる。
もしくは、右手に気を配っているとき、左手がお粗末になる人もいる。
5本の指に、それぞれ別の注意力を払える人と、
全部、まとめて「手」としか、注意力を払えない人といる。
そういうような違いを目の当たりにした。
偏屈ではあるが、ある意味、僕に自信を与えてくれた事実。。。
自分は、実験系で生きていける類の人間だと思う。
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