代替医療 ? ・・・ 代替医療を支持する医学
代替医療・・西洋医学に重きをおいて学ぶ医師が多い中で、
東洋医学のように科学的に、機能や効能など解明しきれて
いない薬やハーブ、サプリメントを、医療に応用する
医師も増えてきていると思うのだけど、
そうした医師にも問題がある場合があるよう。
  
   
  
代替医療の研究、研究の方法や報告が
科学的でなく、めちゃくちゃになりがちなようなのだ。
St. John’s Wortに限らず、副作用が少ないから
受け入れられやすいのだけど、
それをよいことに更正な評価が成されなくて、
科学的にその可能性を汚してしまっている。

たとえば、
? 主治医XYZはあるハーブAの欝への効果を検討したいとする。
? 患者Bowは、お薬Dを受け取って欝の治療を行っている。
? 主治医XYZは患者BowにハーブAの効果を検討したいから、
お薬Dと併用しても良いかどうか許可を得て、同時に処方する。
? 欝の症状が改善した。
? ハーブAの欝改善の効果ありと認めよう。

というような話にしてしまったりするのだ。
これでは、一般に効果ありと認められているお薬Dの効果と、
ハーブAの効果の区別がつかない。
これでは、ハーブAには効果があるなんてとても言えない・・。
しかし医師XYZは、ハーブAには効果ありと、うたってしまう。

こうした論述の仕方で、ほんの数人の患者が
改善を見せたという情報を流す。
そして新たな患者を釣るという感じ?
 
 
こうした話が多く、医学界では批判の対象になっている。
St. John’s Wortについても、そうした批判があったみたい。
(その批判の中でも、信頼できるデータがあり、
それらが採用されて、現在のような認識になっているよう。)

 
しかし、一般の人にとっては、ストーリーの伝えようによっては
信じてしまうこともあるようで、そうなればやっかいなもの。
しかも、患者側が、「このハーブで直りました!」というような
喜びの声を上げるかもしれない。 
メディアはそんなことに気づかないので、
前向きな記事にしてしまったりする。
科学ではなく「寓話」で読者を惹きつける。

医師が医学界からどう批判を受けようとも、
その医師は、一般人やメディアからはちやほやされ、
一方向からの批判など意に介さない。
  
 
また、こんな臨床試験で、認可が下りるわけも無く、
保険が利くようになるわけもない。
すがる思いで患者がその治療に大金を払って
手を出すということもあり、、、これで効果が無く、
そんな事態に陥ったら本当に気の毒だと思う。
 
 
 
「癌の治療や免疫療法に効く!」
という話が種々のハーブやら植物に多いと思うのだけど、
細胞実験をシャーレ上で行うだけで結論付けてしまったり、
論文にならなくとも、学会発表したからOKという受け入れ方をしたり・・
(学会発表に科学的な価値はあまり無い。
特に誰でも出れるような大型の学会は。)
ウェブで盛んに取り上げられているものを、
医学論文のデータベースで調べてみるとすぐにわかるのだけど、
本当にそういったものが多いように思う。
  
 
先日、紹介したSt. John’s Wortのように、
副作用が確認されるものもあり、
知見を積み上げることによって生物学的に説明できるようになる。
だから、臨床での研究は欠かせないし、
異論も唱えられないくらいの詳細で正確な研究が必要なんだ。
 
代替医療に着手する医師・・その医師が本当に自信を持っているにしても、
それは盲目的で、科学的でもなんでもないことにもなる。
一般の人たちは気をつけてほしいと思う。。
セカンドオピニオンのセカンドオピニオンを求めるくらいに。 
 
 
たとえば、
www.gannavi.net/fucoidan.html
このページのフコイダンという糖分子によるがん治療は
まさに悪例と言えると思う。

このホームページから、臨床データがダウンロードできるとある。
実際に、目をぱらっと通してみたのだけど、
癌がどういった病気か紹介をし、フコイダンがどう働くか「仮説」を述べ、
たった3人程の患者の癌の症状が「進行しなかった」だけのことが、
紹介されており、なんら、フコイダンという分子の効果を
証明し、紹介するには至っていない。
その3人の患者についても、「かわいそう」な感じは書かれているが、
他にどんな治療が施されて、どういった経緯だったのか、
まったく詳細がなく、フコイダンという分子を正しく評価できるわけがない。

しかもその3人以外の患者はどうだったんだ?
他にも大勢いるのだと思う。
お金を無駄にしてしまった人など。
 
このフコイダン、副作用が無いらしく(ただの糖分だし)、
安心して服用できる・・という点で、Quality of Lifeが向上とのこと。
Quality of Lifeも、科学的に検証してほしい。
上昇したのなら、前後の「値」を報告するなど。
書いている人の憶測しか無いように感じる。
 
こういう文章を読むと怒りを感じる、、、!!
ターゲットが科学者でないことはわかっているものの。。
 
 
 

一般の製薬について、
話を違うところに向けると、
副作用があるかもしれないが、効果が期待できるという時
我慢強く、臨床研究を行っている医療従事者だっている。
効果を最大に、副作用を最小限にする薬の量、
他の薬との組み合わせを研究する・・。
患者さんたちはこうした医療従事者を応援してほしいと思う。

そうした医療従事者がいる中で、副作用が少ないからと
乏しい科学性で医療行為を続けている医師は問題かと。。
代替医療には、そうした人物が多いように思う。
 
 

 
懸命な医師は、患者が質問してきたら、
「そんな治療が効くのだったら、もっと医学に認められていますよ」
「厚生労働省が認めているはずですよ」
というように、応えて、耳も貸さないかもしれない。
確かにそれでも良いのだけれども、できれば、
・その情報をどこから仕入れたのか
・その科学的な妥当性はどうなのか
・学会・学界への受けはどうなのか
・どれほど普及しているのか
など、患者とともにでいいから、深くまで調べてほしいと思う。
怪しいと思ったなら、学会・学界に報告する、国の機関に報告する・・
などできるシステムが整っていればいいな・・。

もしも、東洋医学の一部のように、
科学的・臨床医学的に実証されていなくても、
可能性が認められるのであれば、学会・学界がなんらかの
形でサポートするのでもいいと思う。。  
 
画像は、www.umdnj.edu/icam/newsletter/index_item2.htm
から、適当に。
代替医療はCAMと訳されます。
Complementary Alternative Medicine。
「代わる」医療だから、先行しては駄目かな?

コメント

なべ
なべ
2008年7月29日23:49

科学的に怪しいどころか、すっかりオカルトの世界に入ってしまっている人もたまにいますね。

Bow
Bow
2008年7月30日6:39

◇なべさん、こんにちは!!

コメント、ありがとうございます!
オカルト・・というのは、巧い表現ですね。

全く効果の無いものでも、効果があると信じることで
結果が変わってくることもあるので侮れないのですが・・・

たとえば、宗教上の輸血拒否などは西洋医学の拒否でしょう。
(「祈祷」などの、代替行為に効果があればよいのですが)
実際には、人が亡くなってしまい、しかもそれでも好しと
されるわけで、科学どうのの話じゃないですよね。

これは極端な話ですが、ある種の代替医療の応用というのは、
そうした倫理観も関係することがあるかなと思いました。。
オカルトという表現、、、ありがとうございます。
 
 
 
ちょっと話、飛びすぎかも?
Bow

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