缶詰の製品は安全か ・・・ ?
ビスフェノールAが缶詰から溶出するそう。
ビスフェノールA:内分泌撹乱物質として有名なもの。

内分泌撹乱物質とは、環境ホルモンのこと。
 
 
 

「『環境ホルモン』という表現がされるけれど、
ホルモンというのは、女性ホルモンなど体内で
分泌されるものであるから、ホルモンと呼ぶのはおかしい。」
 
ということを生化学の先生が言っていた。
彼は環境ビタミンと呼ぶべきだと言っていたが、
ビタミンは、Vital=必須の、という意味があるので、
ビタミンというのもおかしいのでは。

体外に分泌するものは、フェロモンと呼ぶので、
環境フェロモンと呼ぶのは良いかもしれない。
ニュアンスとして、変な感じがするけれど。

  
 
缶詰の内側に塗布されている化学物質より、
このビスフェノールAが分泌されるということで、
厚生労働省が科学的な知見を要約したページを公開している。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html

一番下の2つの質問が関心をひく。

Q8 ポリカーボネート製のほ乳びんを使用していますが、問題ないですか。
Q9 妊婦については、食生活で注意することはありますか。
 
 

Q9において、缶詰に関する懸念が記されている。

これについて、ポリカーボネートの研究班があり、
意見しているのだけど、、、
http://www.polycarbo.gr.jp/news/index.html
この研究班、gr.jpとあるから、政府機関かと思いきや、
バックに私企業が多く絡んでおり、ちょっと不信を抱いてしまう。
厚生労働省の報告に対しては、暗に反論している。

 
大体のレポートを読むと、概して安全という感じだが、
胎児への影響については、不確実のよう。 
 
アメリカの研究班の要約の通り。
評価のまとめとしては、人の健康影響は心配ない。しかし、妊娠女性、胎児、幼児、子供らへの影響として、神経や行動及び女子の早熟について不確実ながらもやや懸念がある。


「不確実ながらも・・」というのは、研究が足りないから。
安全性の研究は、細胞実験から、動物実験、ヒトの研究まで、
幅広く行って、結論をつけるもので仕方ないかと。

先月6月に、研究者による総説が産婦人科系の雑誌に出ていたのだが、
同じような結論であった。
成人については懸念はないに等しいが、
胎児については懸念ありとのこと。 
 
 
厚生労働省の述べているように、懸念があるなら、最大限避けるという姿勢で、
公衆の皆さんは心掛けているのが良いのかなと思っています。
・缶詰・ペットボトルなどの製品で、温められたものは購入しない。
・ペットボトルやプラスティック製品に、
(麦茶とか)熱湯を注いだりしない。
・哺乳瓶はガラス製を。
・缶詰めと瓶詰めがあるなら、瓶詰めを選ぶ。
・ラップを使ってレンジで温めるのは避ける。

おそらく、大人は大丈夫かと思いますが、
妊娠中の方などは、気をつけた方が良いかと思います。
真に危険性はなくても、そちらの方が安心・・・。

 
企業側も、独自に製品の改良に臨んでくれたらと思います。
一例: 
http://www.radishbo-ya.co.jp/company/press/08071101.html

 
缶詰について、続きます。
  
 
疫学の専門誌で、妊婦さんが携帯電話を使う頻度が高いほど、
子供の多動や不注意の傾向が高くなるという研究がありました。
因果関係はなんなのかわかりませんが・・・? 
ちなみに、発電所の近郊に住むことと、脳腫瘍の関係は、
無いようだという見解を記す総説もありました。

とにかく、環境と発達だとかはわからないことが多いのです。
 
 
  
画像は、母乳を薦める趣旨の画像だけれど、
栄養学的な観点からではなく、毒学的な観点から。
“Limit Exposure to BPA” というのは、
「ビスフェノールA(BPA)への暴露を抑えよう」という意味です。

コメント

karia
LA−まま
2008年7月16日18:24

数年前、ダイオキシンが問題となったときには
母乳保育を推進するのはやめようということになって
実際、「ダイオキシンが心配だから母乳はあげません」という方もいました。

その後、WHOがダイオキシンの害と母乳の利点を天秤にかけると
母乳の利点が勝つとの見解を出し
また母乳が推進されるようになりましたが・・・

時代とともにいろいろなことが起きたり言われたりしますね。

Bow
Bow
2008年7月17日21:52

◇LA−ままさん、こんにちは!

母乳の推進が止められてしまう・・というのはすごいですね。

母乳の疫学というと・・産婦人科学の疫学が扱う範疇と捉えているのですが、
その分野というと、出産の際の癒着胎盤により、母親が出血多量死した福岡の刑事事件を思い出します。
確率的にとても稀な事にも関わらず、遺族の訴えもあって逮捕にまで
至ってしまい、産婦人科学の疫学が無力という印象を強く持ちました。
(産婦人科学会は後に声明を発表したようですが、その疫学データが
無かったように記憶しています。
逮捕前に、疫学データがあれば、遺族と対話することができた思うのですが。)

母乳に関する疫学も、母子手帳などが古くから普及している
日本・・世界でも前線で、活躍してほしいと、思っているのですが。。

>時代とともにいろいろなことが起きたり言われたりしますね。

その通りですね。
一方で、環境汚染による人体への影響や血液製剤の問題などは
いつの時代も・・という印象です。
Bow

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