トランス脂肪酸 ? − 公衆衛生からの視点
欧米では、トランス脂肪酸の削減を図って、
レストラン業界・食品業界などのマーケットが動いている。
NY Cityの動きはセンセーショナルで
けっこう有名になっていると思う。

 
 
 
それについて、ある医学雑誌は、
その公衆衛生政策の経緯について
次のようなインタビューをウェブに置いている。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2017/DC1

ここで聴こえる興味深い発言の1つは、
「肥満の問題はとても対処が難しいが、
トランス脂肪酸の対処は比較的容易だ。」
ということである。

肥満の問題はアメリカ(&世界)では社会問題化しているのだけど、
その政策よりも先に、トランス脂肪酸の低減に動いたNY市。
手をつけられるところから・・・というところかな。

肥満の問題は、
責任を負うべき食品・レストランが曖昧だし、
健康的な食べ物を食べるにしても、食べ過ぎては問題となるもの。
経済も心理も重要な因子で、とても複雑な問題だということ。

それに比べトランス脂肪酸は、
ヒトの摂取に貢献しているものが限られるために、
政策が容易なものなのかなと思う。

またトランス脂肪酸の有無によって、
味がそう変化するわけでもない。
消費者は「知っていれば」なんとかできるものかと思う。

 
 
ということで、
栄養と公衆衛生の問題のうち、
比較的に新しいトランス脂肪酸の問題に動いたNY市。
良い例なのかなと感じています。

 
それで考えてみたいなって思うこととしては、
この政策によって、消費者がどれだけ栄養に興味を持つかということ。
「自分の住む街では、政府がそれについて積極的になっている。
自分の食の、(簡単な)選択によって、将来の健康状態が変わってくるかもしれない。」
そんな風な考えを消費者が抱いてくれるのであれば、
トランス脂肪酸の低減の政策というのは、
トランス脂肪酸に関わらない栄養関係の政策や消費者の動向にも
影響を及ぼすかもしれない。
そうした効果っていうのは期待できないものでしょうか。

消費者の認識の変化。

たとえば、ヒ素というと、
森永ヒ素ミルク事件や、カレーにヒ素を混入させた林真澄の事件などもあり、
悪いイメージを持っていることでしょう。
そうした話は、ヒジキにヒ素が含まれているという情報1つで、
消費者が敏感に反応してしまうような、
そうした土台を作ったように思う。

日本は、独自の食文化のみならず、
そうした事件や公害のおかげで、国民の関心が高いのでは?と感じる。
アメリカ人とは比較にもならない。

アメリカ人の、食への関心を高める因子というのは、
果たして過去にあったかな・・・?
そう考えると、それほどないように思う。
近年の肥満の問題やらがやっとこさ、、
重くなった腰を上げる役割を果たしているのでは。

アメリカにおいて、トランス脂肪酸の話が、
食への関心を高める因子になりはしないかなと思います。

トランス脂肪酸に対する日本人の関心というのは、
まだ生まれたばかりで、国民の高い関心の的になっているものの、
研究側の反応が比較的鈍い。

アメリカは、「国内の研究→公衆」という情報だったが、
日本では、「国外の研究→公衆→国内の研究」
という情報の流れがあるように思う。
落ち着くまで時間を要するのでは?
 
 
 
画像は次から。
http://www.breadbaskets.com/customerservice_spa.cfm
http://www.breadbaskets.com/index.cfm
なんかいろいろあるね。

昔、1人6000円くらいするフランス料理のお店で、
フライドポテト(French Fries)を食しましたが、
きちんとしたお店では、良質の揚げ油を使っていると信じて、
それほどの摂取にはならなかっただろうなと今は思っています。
フライドポテトやポテトチップスも、
ジャンクフード化してしまって迷惑だよね。
植物性コレステロールが豊富なポテトチップは、
脂質の吸収を妨げたりするそうです。
そうした改良も可能。

コメント

Bow

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