トランス脂肪酸 ? − マーガリン
マーガリンについていろいろ話はありますけれど、特定の種の脂肪酸などの含有量が低い種の植物を用いればトランス脂肪酸は少なくなります。
たとえば、リノレン酸と呼ばれる脂肪酸は、加工中にトランス脂肪酸に変化しやすいのですが、そういったある種の脂肪酸を生成しにくい植物を選んでいこうというアプローチがあります。
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2006/060331.htm
たとえば、大豆業界の変遷。アメリカ農務省のニュース。

遺伝子組み換えの議論もあります。
トランス脂肪酸の生成しにくい種を開発しようと。

でも、植物性脂はそれだけでは身体に良いところもあるので、
あまり科学技術で変化させるのはちょっと・・・というのが
個人的な意見です。

マーガリン・・トランス脂肪酸への懸念の因子ですが、
ドイツだったか、飽食の時代に上昇する心不全の生活環境要因を探る研究がなされたところ、
80年かそこら、たばこや動物性脂肪といっしょに
マーガリンが強力な因子であることが認められたのです。
(動物実験とともに追試され。)
ヨーロッパの政策が先行しているのはそのためかと。
(食品業界の圧力がアメリカに比べ低いこともあるかも。)

悪役になったマーガリン・・
現代では、加工している間に、飽和度をきちんとコントロールすれば
含有量も低くなるのでやはりそうしたことは消費者も関心をもってもよいと思います。
もともと悪役にされたマーガリンは、
「水素添加」という化学反応を、植物性脂に施して行ったものでした。
これは液状の脂に金属触媒を用いた化学・・いささか工学的なのです。
そうした強引な方法により、固化させるとトランス脂肪酸が生成されます。
強引な反応の副産物といえるでしょう。
マーガリンがプラスチックだと評されることがありますが、
そうした加工工程がいささか工学的なところがあるのも要因かと。

しかし、今ではいろいろな方法で固化できることが知られています。
たとえば
1)植物油と動物油を混ぜて、固化したものも出回ったりしており、
この場合は、トランス脂肪酸が新たに発生することはありません。
ja.wikipedia.org/wiki/マーガリン
ここでも、植物性脂、動物性脂が混ぜられたものという標記がありますね。
2)また乳化剤を添加することによって固化させることもできます。
(ミルクティーにレモンを加えるとミルクが固化する。
これはたんぱく質の凝固ですが・・イメージとしてはそんな感じ)
そうした強引でない自然な反応を施すもの。

マーガリンの生成。
種々あるわけで、それが含有量に影響するわけです。
マーガリンというのは真珠(ギリシャ語でMargarite)という意味で、
テカテカしてればマーガリンなわけで、成分とはなんの関係もありません。

バーガリン。
http://www.burgarine.com/
乳化剤を加えるというところで、トランス脂肪酸の生成を抑えている様子。
これはレシチンという大豆由来の脂質を追加することで固化を促している様子。
レシチンというのは、リン酸脂質の一種。けっこう重みのある脂肪。
このページを見る限り、今知られていることはおさえているように思います。
ちょっと乱暴な論調のページで好印象は抱けませんな。
でも大体、同意・・・
「水素添加でない・・」と主張していますが、
自分の言っていることと同じこと。

マーガリンの合成方法は、
高校3年生であれば理解できる化学のような気がする。

ある論文を読むと
日本のマーガリンのトランス脂肪酸の量は
アメリカのそれに比べて低いことが知られています。
そういったことも踏まえて、前評価にとらわれない研究が必要でしょう。
そしてその際には、てんぷら、ポテトチップなどの研究も並行して・・

農薬などと違って、トンラス脂肪酸は含まれてしまったもの。
マーガリン業界を悪役にするのはもちろん間違っているように思います。
また、マーガリンを通じて、人の関心が増してくれればいいな〜なんて。
 
 
画像は、自分が購入しているマーガリン。
大豆油由来で、Trans-fat Freeをうたっておる。
http://www.earthbalance.net/product.html

トランス脂肪酸の表示や、その他議論に関しては次回。

コメント

Bow

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索